16日の日経平均は3日続落。276.01円安の28003.08円(出来高概算9億3000万株)で取引を終えた。前日の米国市場でハイテク関連株が下落した流れを映して半導体など値がさ株中心に利益確定売りが出たほか、通期の業績予想を下方修正したファーストリテ<9983>も一時5%近く下落したことも響いた。また、新型コロナウイルスの新規感染者が1000人超と連日拡大していることも経済活動の正常化の遅れを懸念した海外勢の先物売りも散見された。



東証1部の騰落銘柄は、値上がり、値下がりが拮抗。セクター別では、海運が2%超と大幅に上昇したほか、鉄鋼、非鉄金属、証券・商品先物など12業種が上昇。一方、医薬品、精密機器、鉱業、陸運など20業種が下落し、卸売が変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、豊田通商<8015>、セコム<9735>、スズキ<7269>、トヨタ<7203>、住友鉱<5713>がしっかり。半面、ファーストリテ、エーザイ<4523>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>が軟調で、この5銘柄で日経平均を約178円押し下げた。



前日の米国市場では、台湾セミコンダクター(TSMC)が5%超の下落となるなか、他の半導体株へも売りが広がり、ナスダック指数、SOX指数ともに下落した。東京市場でも半導体関連や指数寄与度の高い銘柄を中心に売りが優勢となり、取引開始直後には27847.35円まで下押しした。また、アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の効果に疑いが出たエーザイの急落も地合いを悪化させた。一方、海運、鉄鋼、非鉄金属などの景気敏感株の一角や中小型株などには個人などの買いが入り、指数寄与度の大きい銘柄以外の底堅さも見られた。



新型コロナウイルスの感染者の拡大傾向が続いており、景気回復への冷や水を浴びせかねないとの警戒感が拭えないほか、株価指数先物にはこのところ、クレディ・スイスによる売りが増加しており、ヘッジファンドなどの短期筋が売り仕掛けをしていると先行きを懸念する声も聞かれる。ただ、心理的な節目である28000円を下回ると、押し目を拾う動きも出ており、売り崩すまでには至っていない。来週は東京五輪の開幕を前に3日立ち会いとなる。新規の手掛かり材料に欠けるなか、夏枯れの様相が一段強まると見る向きが多く、引き続き盛り上がりに欠けた展開が続きそうだ。