【今週の概況】

■米長期金利低下でドル買い弱まる



今週のドル・円は弱含み。7月13日発表の米国6月消費者物価コア指数は、前年比+4.5%と市場予想を上回る伸びとなり長期金利は上昇したことから、リスク選好的なドル買いが優勢となった。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会での証言で、「インフレの上昇は一時的で、経済が緩和縮小の条件を満たすのは程遠い」と見方を伝えたことを受けて長期金利は低下し、ドル売りが広がった。



16日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時110円34銭まで反発した。この日発表された 米国の6月小売売上高は前月比プラスに改善し、ドル買いが優勢となった。しかし、その後発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は前月から低下したため、米国経済の力強い回復への期待は低下し、リスク選好的なドル買いは後退。米国株式の下落も嫌気され、ドル・円は110円08銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:109円71銭−110円70銭。



【来週の見通し】

■ドルはやや底堅い値動きか、インフレ率上昇の可能性残る



来週のドル・円は、やや底堅い値動きか。7月14−15日に行われたパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言でパウエル議長は物価上昇について言及したが、これに歯止めを掛けるための新たな措置を打ち出す意向はないことが確認された。6月消費者物価指数コア指数は、前年比+4.5%と市場予想を上回る高い伸びを記録。コア指数の上昇率が前年比で4%を超えたのは1991年12月以来となる。



先月発表された5月個人消費支出(PCE)価格指数は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比+3.4%と米FRBのインフレ目標値を大幅に上回っている。今月30日発表の6月コアPCE価格指数は5月実績を上回る可能性があるため、量的緩和策の早期縮小観測は再び強まると予想される。来週発表の6月米中古住宅販売件数、7月米マークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)、7月米マークイットサービス業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が市場予想を上回った場合、米FRBによる将来的な金利引き上げの可能性は一層高まり、ドルは主要通貨に対して強い動きを見せる可能性がありそうだ。



【米・6月中古住宅販売件数】(22日発表予定)

22日発表の米6月中古住宅販売件数は、593万件と予想されており、5月実績を上回る見込み。中古住宅市況はまずまず順調であることから、市場予想と一致または上回った場合、

景気回復への期待は高まりドル買い材料になる。



【米・7月マークイットサービス業PMI】(23日発表予定)

23日発表の7月マークイットサービス業PMIが6月実績を下回った場合でも60超となる可能性は高いとみられる。米国経済の改善は続いていることから、ドル買い材料になるとみられる。



予想レンジ:109円00銭−111円20銭