【今週の概況】

■米早期利上げ観測後退で円売り縮小



今週のドル・円は弱含み。11月1日発表の10月米ISM製造業景況指数の低下を受けてリスク選好的なドル買い・円売りは一服した。米連邦準備制度理事会(FRB)は11月2-3日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、市場の予想通り政策金利を据え置き、資産購入策の縮小開始を決定した。ただ、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が「今は利上げの時期ではない」との見方を示したため、米国の早期利上げ観測は後退し、ドル買い・円売りは縮小した。



5日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時114円03銭まで買われたが、113円30銭まで反落した。この日発表された米国の10月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を上回る伸びとなり、失業率は予想以上に低下したことから、ドル買いが一時優勢となった。しかしながら、英国、ユーロ圏の早期利上げ観測の後退に連れた米長期金利の低下を受けてドル売り・円買いが活発となった。ドル・円は113円39銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:113円30銭−114円44銭。



【来週の見通し】

■ドルは底堅い値動きか、米早期利上げへの期待持続



来週のドル・円は底堅い値動きか。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は早期利上げに慎重な姿勢を堅持し、リスク選好的なドル買いは一服した。ただ、10月米雇用統計は予想以上に改善しており、高インフレの状態が続いた場合、早期利上げの可能性が再び高まることから、リスク回避的なドル売りがさらに拡大することは想定しにくい。来週発表の10月生産者物価指数と10月消費者物価指数が市場予想を上回った場合、金利高・ドル高に振れる可能性はあろう。欧米中央銀行による早期利上げ観測の後退によって世界的に株高に振れているが、NY株式市場の強気相場が続けば、リスク選好の円売りが強まる可能性は残されている。



なお、欧州、英国など他の主要中央銀行の金融政策はドル・円の相場動向にも影響を及ぼす可能性がある。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は来年中の利上げに否定的な見解を表明し、英中央銀行は緩和的な政策を当面維持すると予想されているが、こうした方針を受けてユーロ、英ポンドに対するドル買いが続いた場合、ドル・円の取引でもドル買いが優勢となる可能性がある。



【米・10月消費者物価コア指数(CPI)】(10日発表予定)

10日発表の米10月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+4.3%と、9月実績の+4.0%を上回る可能性がある。市場予想と一致、または上回った場合、早期利上げ観測が再浮上する可能性がある。



【米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数】(12日発表予定)

12日発表の米11月ミシガン大学消費者信頼感指数は72.0と、10月実績の71.7から上昇が予想される。夏場の落ち込みからの回復傾向を維持できれば成長への期待が膨らみ、株式市場の強気相場を支える要因に。



予想レンジ:112円50銭−115円00銭