【今週の概況】

■米インフレ加速を警戒して主要通貨に対するドル買い強まる



今週のドル・円は強含み。11月9日に112円73銭まで下落したが、10日に発表された米国の10月消費者物価指数(CPI)は、前年比+6.2%、同コア指数は前年比+4.6%と市場予想を上回ったことから、早期利上げの思惑が再び強まり、ドル・円など主要通貨に対するドル買いが活発となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長などは早期の利上げについて引き続き慎重な姿勢を保っており、114円台前半では利益確定を狙ったドル売りも観測されたが、米国のインフレ鈍化につながる材料は少ないことから、ドルは・円は113円台後半で下げ渋った。



12日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時113円76銭まで下落した。この日発表された11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は予想に反して低下し、2011年11月以来の低水準となったため、リスク回避的なドル売りが優勢となった。米国株式は強含みとなったが、ドル・円は113円93銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:112円73銭−114円30銭。



【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、115円近辺の抵抗感は払しょくされず



来週のドル・円は伸び悩みか。今週発表された米国の10月生産者物価指数と10月消費者物価指数はいずれも市場予想を上回った。米国のインフレ高進を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測は後退していないが、直近発表の消費者信頼感は高インフレの影響で悪化している。米国景気の持続的な回復への期待は低下しつつあることから、リスク選好的なドル買いがさらに強まる可能性は低いとみられる。



FRBは資産買入れの段階的縮小(テーパリング)に着手することを表明したものの、複数の地区連銀総裁は早い時期の利上げに関しては慎重な姿勢を保っている。そのため、パウエルFRB議長など金融当局者が早期利上げについて改めて慎重な見解を示した場合、一段のドル買いを抑制する可能性がある。なお、来年2月に任期を迎えるパウエルFRB議長は現時点で再選が有力視されるが、金融緩和に前向きであるハト派のブレイナード理事の議長昇格の可能性があることも、リスク選好的なドル買い・円売りを弱める可能性がある。



【米・10月小売売上高】(16日発表予定)

16日発表の10月小売売上高は前月比+1.0%と、9月実績を上回る見通し。9月は市場予想に反して強い内容となり、景気減速懸念は和らいだ。2カ月連続で小売売上高が増加すれば、景気回復期待による株高・金利高でドル買い要因に。



【米・11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数】(18日発表予定)

18日発表の11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は21.0と、10月実績の23.8をやや下回る見込み。前回実績を大幅に下回った場合、金利安・ドル安の可能性がある。



予想レンジ:113円00銭−115円00銭