東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、10月の取引数量が前月比13.6%増の246万2610枚、1日の平均取引数量は11万7271枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は3970.29億円と前月比で8.81億円増加した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、10月の取引数量が前月比18.1%減の375万4766枚、1日の平均取引数量は17万8800枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は597.93億円となり、前月比で約11.41億円の増加となった。



取引数量トップは米ドル・円の62万2458枚(前月比16.3%増)であった。10月のドル円は大きく上昇(ドル高・円安)した。原油や石炭などの商品市況のひっ迫を背景としたインフレ懸念が強まるなか、金融当局による早期の利上げ懸念が強まり、日米金利差の拡大を見越した投機筋のドル買い・円売りが進展。また、商品市況の上昇は、日本の貿易収支の赤字を通して実需面でも円売り・ドル買いを誘いやすいとの見方から、ドル高・円安が加速度的に進んだ。豪ドル・円は26万5946枚(前月比22.6%増)だった。コモディティ価格の急上昇を背景に、石炭などをはじめとした資源輸出大国であるオーストラリア経済に対する見方が好転し、豪ドル買い・円売りにつながった。



11月のドル・円は底堅い展開か。日米金利差拡大や日本の貿易収支の赤字などを要因に10月は急速に円売りが進んだ。しかし、11月上旬に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「インフレは一過性」との従来の見方や利上げに慎重な姿勢を改めて強調した。また、政策金利の引き上げが有力視されていた英国でも、イングランド銀行(中央銀行)が予想外に金利据え置きを決定するなど、11月に入ってからは、一転して行き過ぎた利上げへの思惑が後退する形になった。



ただ、一方で、11月10日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアで前月比+0.6%と予想(+0.4%)を上回り、9月の+0.2%から大きく伸びが加速した。これを受けて、足元では再び利上げへの懸念が高まっている。FRBが単月の指標だけで方針を変更することは考えにくいが、市場の思惑が続く限り、ドル高・円安の傾向は根強く続きそうだ。



11月のトルコリラ・円は軟調か。11月3日に発表された10月のCPIは、中央銀行が政策判断に際して重要視するコアの伸びが前月を下回り、これにより、追加利下げ観測が浮上。さらに、OPEC(石油輸出国機構)プラスが増産を見送ったことで、資源輸入国であるトルコは、原油価格高止まりによる対外収支の悪化が懸念され、これが一層のリラ安を誘いやすい。また、エルドアン大統領による利下げ圧力も今後継続する可能性があり、多方面からリラ売り圧力が続きそうだ。