バイデン大統領は感謝祭前に次期連邦準備制度理事会(FRB)議長を指名する計画で注目だ。投資家の多くはパウエル議長の再任を予想しているものの、多様化を推進する現政権が民主党で女性のブレイナード理事を指名するとの見方も強まりつつある。同理事は環境問題や規制強化などに力を入れると見られる。万が一、ブレイナード理事が指名された場合、不透明感などで短期的な売りに繋がる可能性もありそうだ。しかし、同理事は今までFRBの決定に反対票を投じたことはなく、金融政策の基本路線が大幅に変更される可能性は少ないだろう。また、同理事はパウエル議長よりも慎重派で利上げが先送りされる可能性もあり、株式相場にとってはむしろ支援材料となりそうだ。



最大経済のドイツを含め欧州の一部ではロックダウンが実施検討されており、今後の世界経済の回復を損ねるとの懸念も少なくない。しかし、パンデミック発生直後とは違い、ワクチンや治療薬の利用が可能で、入院・死亡率の大幅上昇に繋がる可能性は少ないだろう。また、好調な小売りが引き続き相場を支援するだろう。残念ながらブラックフライデーは例年に比べて、サプライチェーン混乱が響き在庫不足により、スポーツ用品や電化製品などの大幅な割引が期待されていない。このような状況下での需要の強さが証明できるかどうかに注目だ。また、年末商戦が早めに開始されているとの報告も見られ、消費者も前倒しでギフト商品などを購入済みで、シーブン後半にかけて消費ペースが鈍化する可能性も警戒されるが、累積需要が相殺し、それなりの結果を期待したい。



なお、25日は感謝祭の祝日で休場となるほか、26日は短縮取引となる。



経済指標では、10月シカゴ連銀製造業活動指数、10月中古住宅販売件数(22日)、11月製造業・サービス業PMI速報値、11月リッチモンド連銀製造業指数(23日)、週次

新規失業保険申請件数、10月前渡商品貿易収支、10月卸売在庫、第3四半期GDP、個人消費改定値、10月コアPCEデフレータ、個人所得・支出、11月ミシガン大消費者信頼感指数確定値、10月新築住宅販売件数(24日)、などが予定されている。



また、FRBは24日に11月2日、3日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表する予定。FRBはこの会合で、市場の予想通り政策金利を据え置いたが、経済の拡大が一段とさらに進んだため量的緩和縮小を今月から開始することを決定した。ただ、利上げには言及せず。労働市場が最大雇用に達する必要があり、実施を急ぐ必要がないとの見方が示唆された。金利先物市場では2022年の2回超の利上げをすでに織り込んでおり、議事要旨で利上げに関する具体的な協議内容を確かめたい。



主要企業決算では、ビデオ会議サービスを提供するズーム・ビデオ・コミュニュケーションズ、衣料小売りのアーバンアウトフィッターズ、レストランチェーンを運営するジャック・イン・ザ・ボックス(22日)、ハイテク企業のデル・テクノロジー(23日)、農機具メーカーのディア(24日)などに加えて、小売りではエレクトロニクス小売りチェーンのベストバイ、ディスカウント小売りのダラー・ツリー、スポーツ用品小売りのディックス・スポーティング・グッズ、衣料小売りのギャップ、アメリカン・イーグル、アバクロンビー&フィッチ、百貨店のノードストローム(23日)、などが予定されている。



百貨店や衣料小売りは経済活動の再開に伴い実店舗への客足が大幅に伸びている兆候が見られ、売り上げ増が期待できそうだ。各企業とも需要の増加で増益が目立つが、サプライチェーン混乱や工場、輸送などでの人手不足が響きコストの大幅上昇で、利益率の縮小を警告しており、見通しに特に注意が必要だ。また、ディアは賃上げを要請する従業員によるストライキの影響で生産が滞ったため決算の収益悪化は避けられそうもなく警戒だ。



(Horiko Capital Management LLC)