【今週の概況】

■ドルは下げ渋り、米国金利の先高観強まる



今週のドル・円は下げ渋り。12月14−15日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小規模を150億ドルから300億ドルに拡大することが決まったが、FOMCのスタッフ予測で、2022年と2023年にそれぞれ3回の利上げを想定していることが判明したことから、ドル・円は15日のニューヨーク市場で114円台前半まで買われた。米国株式の上昇を意識したドル買いも観測された。しかしながら、世界各国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染が急速に広がっていることを警戒してリスク選好的なドル買い・円売りは続かず、英国中央銀行が16日に0.15ポイントの利上げを発表したことも円売り材料にはならなかった。



17日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時113円14銭まで下落した。オミクロン変異株の感染急増を警戒してリスク回避の円買いが優勢となった。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が、インフレは高すぎると指摘し、来年3月のFOMC会合での利上げも選択肢になること、利上げ実施後、すみやかにバランスシートの縮小に着手することができるとの見解を表明したことから、ドル買い・円売りが再び優勢となった。ドル・円は113円71銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:113円14銭−114円26銭。



【来週の見通し】

■伸び悩みか、重要イベント通過でリスク選好のドル買い縮小も



来週のドル・円は伸び悩みか。米連邦準備制度理事会(FRB)は量的緩和の縮小規模を拡大する方針であり、この影響で長期金利が再上昇した場合、ドル買い・円売りが縮小する可能性は低いとみられる。ただ、主要中央銀行の金融政策発表などの重要イベントの通過に伴い、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する見通し。



米連邦公開市場委員会(FOMC)来年の金利見通しによると、早ければ6月から3回の利上げが想定されていることがわかった。また、英中央銀行金融政策委員会(MPC)は予想外の利上げに踏み切り、欧州中央銀行(ECB)理事会はパンデミック特別購入プログラム(PEPP)の終了を決めた。ただ、英国や欧州などで新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大が報告されており、英国や欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念が高まっている。そのため、ポンド、ユーロに対するドル買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。



しかしながら、ドル・円に関しては114円台半ばから115円近辺の水準で顧客筋や短期筋などのドル売りが増えると見方が多いため、新たなドル買い・円売りの材料が提供されない場合、目先的にリスク選好的なドル買い・円売りは縮小し、ドルの上値は次第に重くなる可能性がある。海外のインフレ高進の影響で日本の消費者物価は2022年半ば頃にかけて上昇する可能性があることも、ドル上昇を抑える一因となりそうだ。



【米・7-9月期国内総生産(GDP)確定値】(22日発表予定)

22日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)確定値は前期比年率+2.1%と、改定値から横ばいの見通し。上方修正された場合、米国の景気回復を好感したドル買い・円売りがやや強まる可能性がある。



【米・11月PCEコア価格指数】(23日発表予定)

23日発表の米11月PCEコア価格指数は、さらに上昇するか注視される。10月は+4.1%と高水準を維持しており、11月は10月実績を上回る可能性がある。上昇率が市場予想と一致、または上回った場合、FRBによる早期利上げ観測が強まり、ドル買い材料になるとみられる。



予想レンジ:112円00銭−115円00銭