【今週の概況】

■欧米諸国の株高を意識して主要通貨に対する円売り強まる



今週のドル・円は強含み。欧米諸国の株高を意識してドルを含めた主要通貨に対する円売りが優勢となった。12月23日に発表された米国の11月PCEコア価格指数は、前年比+4.7%と市場予想を上回ったことから、2022年に3回の米利上げ実施の可能性が高まったこともドル買い・円売りを促す一因となった。新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染者は急増しているものの、英保健安全保障庁は、「オミクロン株の感染者はデルタ株に比べて入院リスクが低い」と指摘しており、感染拡大に対する市場参加者の警戒感は低下しつつあることから、リスク回避的な円買いは縮小した。



24日のニューヨーク市場は、米国がクリスマスの祝日のため、主要通貨の為替取引は閑散となった。ドル・円は下げ渋り。114円34銭から114円44銭まで買われており、114円41銭で引けた。ドル・円の取引レンジ:113円33銭−114円51銭。



【来週・再来週の見通し】

■米雇用情勢改善で早期利上げ期待のドル買いも



来週・再来週のドル・円は底堅い値動きか。年内は動意薄の状態が続くとみられているが、年明け後に米雇用情勢の改善が確認された場合、連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げへの期待が高まり、リスク回避的なドル売りは抑制される可能性がある。市場ではバイデン政権が打ち出した1.8兆ドル規模の社会保障などの政策が注目され、民主党内の合意形成に関心が向けられている。党内調整が難航した場合、米国経済の成長鈍化につながるため、足元のドル買いを抑制する要因になりやすい。



ただ、年明け以降は12月米ISM製造業景況指数、米国の新規失業保険申請件数、12月米ADP雇用統計、12月米雇用統計が注目材料に。この中では1月7日発表の12月雇用統計に対する関心が高いようだ。非農業部門雇用者数は前月比+47.5万人、失業率は4.1%と予想される。FRB当局者の一部は早期利上げの可能性を示唆しており、雇用情勢の改善が顕著なら早期利上げの思惑が広がり、ドル買いが強まりそうだ。



米雇用統計に先立って公表される12月14-15日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨も材料視される。FOMCは資産買入れの段階的縮小(テーパリング)を加速させる方針を打ち出している。来年の金利見通しでは6月から3回の利上げが想定されており、ドル買い地合いは続くとみる。



【米・12月ISM製造業景況指数】(1月4日発表予定)

1月4日発表の米12月ISM製造業景況指数は60.5と、前月の61.1を下回る見通し。ただ、景気の好不況の節目である50を大きく超えた水準が見込まれ、好調を維持すれば株高・円売りの材料に。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(1月5日公表予定)

FRBは1月5日、12月14-15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。資産買入れの段階的縮小(テーパリング)加速のほか、利上げ時期に関する議論が注目される。



【米・12月雇用統計】(1月7日発表予定)

1月7日発表の米12月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+47.5万人、失業率は4.1%の見通し。雇用情勢の改善が鮮明になれば、利上げ前倒し期待を後押しする要因に。



予想レンジ:113円00銭−116円00銭