年末年始の新興市場では、マザーズ指数が大幅な下落を強いられ、1月6日には終値で2020年5月19日以来の安値を付けた。12月20日週のIPOラッシュを通過して需給悪化に歯止めがかかる場面もあったが、年初早々に米金利が大きく上昇すると、再びマザーズ銘柄のような中小型グロース(成長)株に売りが出た。その後、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が改めて意識されるなどして、マザーズへの逆風は強まった。個別銘柄の下落もきつく、追い証(追加証拠金の差し入れ義務)発生と前後して損失覚悟の売りを迫られた投資家が少なくなかったとみられる。なお、12月27日から1月7日までの騰落率は、日経平均が-1.1%であったのに対して、マザーズ指数は-12.0%、日経ジャスダック平均は-0.6%だった。



個別では、メルカリ<4385>が同期間で14.5%安、フリー<4478>が同13.6%安、ビジョナル<4194>が同19.3%安とマザーズ時価総額上位は軒並み大幅に下落。売買代金上位ではFRONTEO<2158>がやや値を戻したのち再び売られ、逆にサイエンスアーツ<4412>は今週末にかけ急反発したが、それまでの調整がきつかった。また、リボミック<4591>などがこの期間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、アスタリスク<6522>やステラファーマ<4888>は大きく買われる場面があり、JMC<5704>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力では東映アニメーション<4816>が同12.7%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同10.7%安、ウエストHD<1407>が同13.3%安。また、アミタHD<2195>などがこの期間のジャスダック下落率上位に顔を出した。一方、セリア<2782>は同1.2%高となり、出前館<2484>などが大きく上昇した。IPOでは、エフ・コード<9211>が上場2日目に公開価格の約3倍となる初値を付けた。12月27日上場のアジアクエスト<4261>とセキュア<4264>は揃って約2.3倍という初値になった。



来週の新興市場では、引き続き不安定な相場展開となることも想定しておきたい。今週末の米国市場では、12月の雇用統計を受けて10年物国債利回りが一時1.8%と2年ぶりの高水準まで上昇した。来週発表される物価関連統計やパウエルFRB議長の議会上院での公聴会にも注目したいが、米金融引き締めへの懸念がグロース株にとって逆風となる状況は続きそうだ。市場全体の信用買い残(東名2市場、制度・一般合計)は昨年11月26日申込み時点の3兆7401億円をピークに減少してきているが、12月30日申込み時点で3兆3576億円となおコロナショック前を1兆円も上回る水準にある。



来週は、1月11日にチームスピリット<4397>、13日にオキサイド<6521>、アイドマ・HD<7373>、14日にウエストHD、出前館、ティーケーピー<3479>、ココナラ<4176>、ビザスク<4490>、バリュエンスHD<9270>などが決算発表を予定している。昨年11月上場で賑わいを見せているサイエンスアーツやGRCS<9250>も初の決算発表(ともに14日)があり、個人投資家の関心を集めそうだ。



IPO関連では、Recovery International<9214>(2月3日、マザーズ)、ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング<4266>(2月4日、マザーズ)、ライトワークス<4267>(2月9日、マザーズ)の新規上場が発表されている。2月IPOは現時点で4社となっており、Recoveryは1月14日に仮条件が発表される。