【先週・今週の概況】

■米国の早期利上げ観測台頭でドル買い強まる



先週・今週のドル・円は強含み。欧米諸国などで新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染者が急増したものの、デルタ株などの変異株との比較で病原性は高くないとの見方が広がったことから、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。ドル・円は115円台前半で越年。年明け後もドル買い・円売りは継続。米連邦準備制度理事会金融当局が1月5日公表した昨年12月14−15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨では、経済が力強さを増し、インフレが加速すれば、従来想定よりも早期かつ迅速に利上げに踏み切ることもあり得るとの見方が提示されており、ドル・円は2017年1月以来となる116円35銭まで上昇した。ただ、米国の早期利上げを警戒して欧米、日本の株式相場は反落したことから、リスク選好的な円売りは縮小した。



7日のニューヨーク外為市場でドル・円は115円93銭まで買われた後、115円53銭まで下落した。この日発表された12月米雇用統計で失業率は2020年2月以来となる3.9%まで低下し、平均時間の伸びが市場予想を上回ったことから、ドル買いが一時優勢となった。しかしながら、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことから、利益確定を狙ったドル売りが優勢となった。ドル・円は115円55銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:114円31銭−116円35銭。



【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、新型コロナウイルスの感染拡大などでドル買い縮小も



来週のドル・円は伸び悩みか。2022年6月頃と想定されていた米国の利上げ時期は早まる可能性があることから、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。直近発表の経済指標では12月ISM製造業景況指数、12月ADP雇用統計などの指標は強い内容となり、FRBの一段の引き締めに思惑が広がりやすい。12月14-15日開催のFOMCの議事要旨では、迅速な利上げとバランスシート縮小に向けた姿勢が鮮明になった。



ただ、ドル・円は5年ぶりの高値圏に浮上したものの、1ドル=116円台では輸出企業など顧客筋などのドル売りが増える可能性があること、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染が日本を含めた世界各国で急増しており、経済活動を圧迫すると懸念されていることから、リスク選好的なドル買いは目先的に縮小する展開となりそうだ。米国における新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数は100万人を超え、雇用情勢などに影響が及ぶ可能性がある。感染者の増加に歯止めがかからず、金融当局者から警戒姿勢が示された場合、リスク選好的なドル買い・円売りを弱める要因となりそうだ。



【米・12月消費者物価コア指数(CPI)】(12日発表予定)

12日発表の米12月消費者物価コア指数(CPI)は、前年比+5.4%と、上昇率は11月実績を上回る見通し。市場予想と一致した場合、早期利上げ期待につながりやすい。



【米・12月小売売上高】(14日発表予定)

14日発表の12月小売売上高は前月比-0.1%と予想されており、11月実績を下回る見込み。ただし、市場予想を上回った場合、個人消費の回復を期待して、株高・金利高・ドル高の要因となる。



予想レンジ:114円50銭−117円00銭