【今週の概況】

■ドル弱含み、米インフレ鈍化の思惑でリスク選好の円売り縮小



今週のドル・円は弱含み。1月10日に115円85銭まで買われたが、米国の急速な金融引き締めを警戒してリスク選好的な円売りは縮小し、一時113円台半ばまでドル安・円高に振れる場面があった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が再任指名承認の上院公聴会で、「利上げのタイミングは決定していない、バランスシートの縮小開始は年後半」との見方を伝えたことから、早期利上げの思惑は後退し、ドル売りが優勢となった。ただ、米国のインフレ率は1-3月期にピークを過ぎるとの見方が浮上したことや、「日本銀行は物価目標2%の達成前に利上げを議論する」との観測報道も円買い材料となった。

14日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時113円49銭まで下落したが、114円台前半まで戻した。この日発表された12月の米小売売上高は予想以上に減少したこと、1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値も市場予想を下回ったことから、ドル売りが優勢となった。しかし、次期米連邦準備制度理事会(FRB)副議長に指名されたブレイナード理事は年内数回の利上げを想定しており、長期金利は反転、上昇したことから、リスク回避的なドル売りは縮小。ドル・円は114円25銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:113円49銭−115円85銭。



【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、主要国の株安警戒で円売り縮小も



来週のドル・円は伸び悩みか。今月25-26日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果を確認したいことから、リスク選好的なドル買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。高インフレを背景に連邦準備制度理事会(FRB)による金融正常化への期待感が続き、長期金利は反発していることから、ドル売りは抑制される可能性がある。ただ、FRBによる早急な金融引き締めの思惑は世界的な株安につながるとみられ、リスク選好的な円売りがすみやかに拡大する可能性は低いとみられる。主要国の株安を嫌って新興諸国や資源国通貨に対する円買いが増える可能性があることも、ドル・円の相場動向に影響を与えそうだ。



なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は域内の物価上昇に懸念を示し、ユーロ圏の金利先高観はやや強まる可能性が残されている。この影響でユーロ買い・米ドル売りが増えた場合、ドル・円の取引でもドル売りが優勢となる可能性があるため、目先的にはユーロ・ドルの相場動向にも注意を払う必要がありそうだ。





【米・12月住宅着工件数】(19日発表予定)

19日発表の2021年12月住宅着工件数(年率換算)は165万件と、11月の167.9万件をやや下回る見通し。住宅関連指標はまちまちだが、比較的高水準で安定的に推移すれば消費の好調さが確認されそうだ。



【米・1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数)】(20日発表予定)

20日発表の1月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は21.0と、前月の15.4を上回る見通し。製造業の堅調さが維持されれば、景況感の改善を好感した株高・金利高・ドル高の可能性に振れやすい。



予想レンジ:112円50銭−115円50銭