東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2022年4月の取引数量が前月比5.7%減の325万5534枚、1日の平均取引数量は15万5026枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は3994.09億円と前月比で25.58億円増加した。取引通貨量では、米ドル、豪ドル、メキシコペソ、南アフリカランド、ユーロの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、4月の取引数量が前月比27.4%減の419万4784枚、1日の平均取引数量は20万8029枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は687.34億円となり、前月比で約26.83億円の増加となった。



取引数量トップは米ドル・円で132万7240枚(前月比37.3%増)だった。米ドルは対円で上昇基調を辿った。日銀の黒田総裁が「円安は日本経済に全体としてはプラス」として強力な金融緩和政策の継続を主張するなか、対照的に米国では0.5ptや0.75ptといった大幅利上げ観測が日増しに強まり、日米の金利方向感の拡大が意識された。また、エネルギー市況の逼迫長期化が見込まれるなか、資源輸入国である日本の貿易収支の悪化を通じた実需によるドル買い・円売りも根強く続いた。4月27-28日の金融政策決定会合では、大規模緩和の維持と、日銀が国債を無制限に買い入れる「指し値オペ(公開市場操作)」が原則として毎日実施されることが決まった。円安けん制発言も聞かれず、これを受けてドル・円は1ドル=130円台乗せと、20年ぶりの円安水準を記録した。



豪ドル・円は堅調もみ合い、取引数量は41万7855枚(前月比12.6%増)だった。石油や天然ガス(LNG)、石炭などの資源価格が高止まるなか、資源大国通貨としての魅力を維持。また、豪準備銀行(中央銀行)は5月理事会で「今が異例の支援を解除する適切な時期」として、政策金利を0.25pt引き上げ0.35%に決定。さらに「インフレ目標達成にはさらなる利上げが必要」と言明しており、6月会合での追加利上げ観測が浮上していることも対円での上昇要因に。一方で、資源高を理由とした買いに一服感が出てきていることに加え、経済面での結びつきが強い中国経済が、ロックダウン(都市封鎖)の延長を背景に減速懸念が強まっていることも重しとなり、強弱材料が混在するなか、豪ドル・円はもみ合いとなった。



5月のドル・円は堅調か。5月3-4日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り、0.5ptの利上げと6月からの量的引き締め(QT)の開始が決定された。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は0.75ptの利上げについて「積極的には検討されていない」との見解を示し、ドル・円は直後に一時的に1ドル=130円台を割り込んだ。しかし、市場ではFRBはインフレを抑えることができないのではないか、ひいてはいずれ大幅な利上げに追い込まれるのではないかとの不信感を抱いているようで、金利先高観がむしろ強まるなか、ドル・円はすぐに130円台を回復。米10年債利回りも3年半ぶりとなる高水準を付け、高値更新が続いているため、日銀が金融政策スタンスの変更を示唆しない限りは、ドル・円のじり高基調が続きそうだ。



南アフリカランド・円は下げ渋る展開か。4月前半まではインフレ抑制を方針とした金融政策スタンスや商品市況の上昇を背景に底堅い展開が続いていた。しかし、4月後半からは、大規模洪水による同国経済への打撃を懸念する向きが増えたほか、米長期金利の上昇や中国経済の減速を背景に新興国経済が後退する警戒感も高まり、南アフリカランドは軟調に推移。しかし、悪材料が重なる形で売り込まれたものの、対円での上昇要因・構造的背景が大きく変わらないなか、今後は下げ止まることが予想されよう。