【今週の概況】

■ドル強含み、米利上げ継続の可能性高まる



今週のドル・円は強含み。5月31日発表の5月シカゴ購買部協会景気指数は予想に反して上昇したことや、6月1日発表の5月ISM製造業景況指数は低下予想に反して上昇したことから、リスク選好的なドル買い・円売りが広がった。6月2日発表の5月ADP雇用統計(民間雇用者数)は市場予想を下回ったものの、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は「9月の利上げ休止は想定しにくい」と述べたことから、ドル買いが再び優勢となった。



3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時130円98銭まで上昇した。この日発表された5月米雇用統計で非農業部門雇用者数は、市場予想を上回る39万人増となったことを受けて、米長期金利は反発したことからリスク選好的なドル買いが優勢となった。金融引き締め継続を警戒して米国株式は下落したが、日米金利差拡大を想定したドル買い・円売りは縮小しなかった。原油先物が大幅高となったことも意識され、ドル・円は130円86銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:126円86銭−130円98銭。



【来週の見通し】

■底堅い動きか、米金融正常化への期待持続



来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融正常化に向け、6月、7月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合でそれぞれ0.5ポイントの追加利上げを計画しており、金利先高観を背景にドル買い・円売りが続く可能性は高いとみられる。バイデン米大統領はイエレン財務長とともにパウエルFRB議長と会談し、金融当局としての独立性を改めて強調したが、その一方で、約40年ぶりの高水準に達したインフレを抑止する必要があるとの考えも伝えている。FRBはバイデン大統領の意向に沿って金融引き締めの姿勢を堅持することになりそうだ。



来週発表される経済指標では6月10日発表の5月消費者物価コア指数に対する関心が高いようだ。インフレのピークは過ぎた可能性があるものの、5月のコアインフレ率が市場予想と一致した場合、長期金利高・ドル高の地合いとなろう。ドル・円は5月9日に付けた20年ぶりの高値131円35銭が意識され、131円台前半の水準ではドル売り・円買いが強まるとの見方が多いようだ。ただ、何らかの要因で直近高値を超えることができれば、1ドル=132円台に切り上げる展開が予想される。



【米・5月消費者物価コア指数】(10日発表予定)

10日発表の米5月消費者物価コア指数は、前年比+5.9%の見通し。5月のコアインフレ率が高水準を維持すれば、FOMCのタカ派的な見解を正当化し、金利高・ドル高の要因に。



【米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(10日発表予定)

10日発表の6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は59.0と、5月の58.4を上回る見通し。堅調な個人消費は高インフレの要因として注目され、市場予想を上回った場合、金利高・株安・ドル高が見込まれる。



予想レンジ:128円50銭−131円50銭