【今週の概況】

■米長期金利反発でドル買い強まる



今週のドル・円は堅調推移。米10年債利回りの上昇で、日米金利差拡大観測を受けたドル買い・円売りが拡大した。6月9日発表の新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことや欧米株安を警戒してリスク回避の円買いが一時優勢となったが、米長期金利の反発を受けてリスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。急激な円安進行を受けて財務省と金融庁、日本銀行は10日、国際金融資本市場に関する情報交換会合を開いて「急速な円安の進行が見られ、憂慮している」との声明文を出した。この対応を警戒して午後の東京市場でドル売り・円買いが活発となった。



10日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時133円52銭まで反落したが、134円48銭まで戻した。この日発表された5月米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回ったことから、9月以降も利上げ継続の可能性が高まった。長期金利が一段と上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となった。米国株式は大幅安となったが、日米金利差拡大を想定したドル買い・円売りは縮小しなかった。ドル・円は134円39銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:130円43銭−134円56銭。



【来週の見通し】

■上昇一服か、0.5ポイントの米追加利上げは織り込み済み



来週のドル・円は上昇一服か。焦点の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが予想され、目先の政策スタンスが注目される。一方、日本銀行は現行の金融緩和策を継続する方針を示しており、日米金融政策の違いを背景としたドル買い・円売りは継続しそうだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)は6月と7月のFOMCでいずれも0.50ポイントの利上げが織り込まれ、政策金利に当たるFFレート(誘導目標上限値)は2.0%に到達。ブレイナードFRB副議長をはじめ引き締め継続に前向きで、年末時点で3%への上昇が予想されている。

ただ、5月半ば以降に発表された経済指標はフィラデルフィア連銀製造業景況やコアPCEデフレーター、住宅関連統計などは前回を下回る内容となり、金融引き締めによる懸念が浮上。FOMCで景気に配慮して金融引き締めを慎重に進める意向を表明した場合、金利安・ドル安に傾く展開となりそうだ。



欧州中央銀行(ECB)は6月9日の理事会で7月の利上げ方針が示されており、ユーロ売り・ドル買いは一時的に縮小したが、米長期金利の上昇を受けてユーロ売りが再び優勢となった、一方、日本銀行は国内のインフレ圧力を認めつつも、現行の金融緩和を継続する考えを堅持しており、引き続き円売りが主要通貨を支える要因となる。ドル・円は134円台に浮上しており、2002年1月に付けた135円15銭が視野に入ってきた。新たなドル買い材料が提供された場合、1ドル=135円台到達の可能性は残されている。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(14-15日開催)

米連邦準備制度理事会(FRB)は14-15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50ポイントの追加利上げが見込まれ、金利高を手がかりにドル買いが進む見通し。ただ、0.5ポイントの追加利上げは織り込み済みのため、想定通りならドル買い・円売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。



【米・5月小売売上高】(15日発表予定)

15日発表の米5月小売売上高は前月比+0.2%と、4月の+0.9%から鈍化が見込まれる。ただ、個人消費全体はそれほど縮小していないとみられ、市場想定に沿った内容なら株安につながる可能性は低いとみられる。



予想レンジ:133円00銭−135円50銭