■超大幅利上げ巡る思惑で方向感出ず



今週の新興市場はもみ合い。引き続き米長期金利の低位安定が支援要因になったものの、週半ばにかけて控える米国の物価指標への警戒感から週前半は売りが先行。指標発表後は一時大幅利上げ観測が台頭し緊張感が高まったが、当局の高官発言を受けて週末にかけては警戒感が後退し、買い戻しが優勢となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+1.02%であったのに対して、マザーズ指数が-0.70%、東証グロース市場指数は-0.47%だった。



個別では、外資証券によるレーティング格下げがあったフリー<4478>が-13.6%となったほか、ビジョナル<4194>が-5.6%、ANYCOLOR<5032>が-2.6%、JTOWER<4485>が-6.3%、弁護士ドットコム<6027>が-6.5%、メドレー<4480>が-7.8%、Appier Group<4180>が-5.7%と時価総額上位銘柄は全般軟調だった。売買代金上位には坪田ラボ<4890>、イーディーピー<7794>、マイクロ波化学<9227>などの直近IPO(新規株式公開)が入り、これらは週間の値上がり率上位にもランクインした。ソフトバンクのグループ会社やホリプロと共同でAR/VRを利用した3Dビデオによるリアルタイム配信の実証実験を行うと発表したSKIYAKI<3995>は週初から人気化し、値上がり率トップに躍り出た。



■米ネットフリックスの決算などに注意



来週の新興市場は一進一退か。米7月ミシガン大学消費者マインド指数の5-10年先期待インフレ率は2.8%と前月の3.1%から1年ぶりの低水準にまで低下した。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ptの利上げに至った要因の一つがこの期待インフレ率だっただけに、インフレ懸念を和らげる内容で、目先の安心感を誘う。また、米6月の消費者物価指数や生産者物価指数は揃って予想を大幅に上回ったが、その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事など複数の高官は1.00ptの超大幅利上げについては慎重な姿勢を示した。



足元の金利先物市場では7月FOMCで0.75ptと1.00ptの利上げそれぞれが五分五分の確率で織り込まれている。26〜27日のFOMCを通過するまでは思惑がくすぶるが、米6月ISM製造業景気指数の入荷遅延の項目や世界コンテナ運賃指数、さらにはエネルギー・食料品の価格低下を背景にインフレピークアウト期待も高まっている。7月に仮に1.00ptの利上げが行われたとしても、そこが利上げ幅のピークとなる可能性が高いだろう。神経質な局面ながらも新興株の底入れは近いと考える。一方、来週は米国でネットフリックスやテスラの決算が控える。前回決算で株価急落となったネットフリックスの結果次第では、短期的には国内の新興株の重石となる可能性があるため、留意したい。



個別では、25日移動平均線が上向きでかつ15日終値が25日線より上に位置するテクニカル面が良好な銘柄に着目。ケアネット<2150>、ジーエヌアイ<2160>、クラウドワークス<3900>、ウォンテッドリー<3991>、ニューラルポケット<4056>、スマレジ<4431>、メドレー、マクビープラ<7095>、バイセル<7685>などに注目している。



IPOでは、unerry<5034>とエアークローゼット<9557>が19日までブックビルディング(BB)期間。日本ビジネスシステムズ<5036>は22日まで。20日からはクラシコム<7110>がBB期間に入る。