■大幅利上げ観測の台頭と後退で売り買い交錯



今週の日経平均は週間で271.28円高(+1.02%)と続伸。13週移動平均線を僅かに上回った一方、75日線、26週線は依然下回ったままで終えた。



週初11日の日経平均は295.11円高。参議院選挙で自民党が圧勝したことや、米6月雇用統計で米国労働市場の堅調さを確認しつつも金利の上昇が限定的だったことが好感され、一時27000円を回復した。しかし、12日は475.64円安と大幅反落。新型コロナ感染拡大で中国の一部地域が再び都市封鎖入りし、世界経済の後退懸念が再燃したことで、アジア市況が大きく崩れたことが投資家心理を悪化させた。



週末にかけての3日間は上昇が続き、それぞれ150円前後の上昇となった。注目された米6月消費者物価指数(CPI)は予想を大幅に上回り、前年比で41年ぶりの高い伸びを記録。7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1.00ptの利上げ観測も浮上し、警戒感が高まる中ではあったが、一方で、足元のコモディティ価格の下落などを背景に今回の発表分がピークとみる期待も強く、売り急ぐ動きには繋がらなかった。米6月生産者物価指数(PPI)も予想を大幅に上回ったが、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が市場の1.00ptの利上げ観測は時期尚早との見解を示したことで警戒感が後退し、週末も買いが優勢となった。



■日本電産、ネットフリックスなど決算、21日に注意



来週の東京株式市場は一進一退か。国内は月曜が祝日で立会いは4日となる。翌週に控えるFOMCや徐々に本格化し始める日米主要企業の決算発表を控え、動きづらい展開が想定される。どちらかに触れても一方向に傾くことはなく、レンジ推移が意識されやすいだろう。



米6月CPIとPPIはともに予想を大幅に上回った。一方、世界のコンテナ運賃やエネルギー・食料品の価格が下落傾向にあることから、今回の6月分がピークだとする期待は根強い。7月ミシガン大学消費者マインド指数の長期期待インフレ率も1年ぶりの水準に低下した。一方、翌週に開催されるFOMCでは、0.75ptの利上げが有力とされる一方、1.00ptの利上げへの思惑も依然くすぶっている。このため、月末までは様子見ムードが広がりやすいだろう。



また、日米で徐々に4-6月期の企業決算が発表される。内容を見極めたいとの思惑も、株価の一方的な動きを生み出しにくくすると考えられ、マクロ要因によるボラティリティー(変動率)はいったん縮小する可能性がある。



国内では20日に日本電産<6594>の決算が控える。電気自動車(EV)関連株への波及効果も大きく、内容が注目される。製造業決算として先んじて第1四半期(3-5月)決算を発表している安川電機<6506>は、受注の好調は引き続き確認されたものの、収益実績の市場予想下振れが素直に嫌気され、その後の株価は大きく下落。景気後退懸念が強まるなか、製造業に対する投資家の目線は厳しいとみられ、ハードルは高いだろう。



米国では週前半にゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカの金融大手の決算がある。先に発表されたJPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーの決算はともに低調なものとなり、貸倒引当金の積み増しなどが重荷となった。JPモルガンの最高経営責任者(CEO)ジェイミー・ダイモン氏は企業や個人の堅調さを強調した一方、世界経済の先行きに対する警戒感も引き続き示した。金融大手の決算が引き続き冴えないものとなれば、相場の重荷になるだろう。



週半ばにかけては動画配信のネットフリックス、EVメーカーのテスラも決算を発表する。景気後退懸念に伴い、米10年債利回りは3%を下回った推移を続けており、足元では景気敏感株に対してのグロース(成長)株の株価パフォーマンスが良好だ。ただ、ネットフリックスは前回決算の際に会員数の減少を発表。成長期待のはく落により株価が急落し、投資家心理を大いに冷やした。今回も同様に低調な決算となれば、足元で台頭しているグロース株の復調に冷や水を浴びせることになる。



21日には欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が開催予定で、金融引き締めの強化についての方針が注目される。利上げペースの加速などが示唆されると相場は神経質に反応する恐れがある。

また、欧州ではロシアとドイツをつなぐ天然ガスの主要パイプラインが定期検査で供給を止められているが、この定期検査の期限が同日21日とされている。デッドラインを迎えるこの日以降も供給停止が続けられるとなると、欧州のエネルギー価格を更に高騰させ、世界的なインフレ懸念の再燃や一層の景気後退懸念に繋がりかねないため、注意が必要だ。



ほか、21日に発表予定の米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も注目。5月、6月と2カ月連続で大きく悪化し、市場予想も下回っており、6月にはマイナスに転じている。7月もマイナスとなると、景気後退懸念が一段と強まりかねないため、警戒しておきたい。



■日銀金融政策決定会合、ECB定例理事会など



来週は18日に米 7月 NAHB 住宅市場指数、19日に米6月住宅着工件数、20日に日銀金融政策決定会合(〜21日)、米6月中古住宅販売、21日に黒田日銀総裁会見、6月貿易収支、ECB定例理事会、米7月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、22日に6月全国消費者物価などが発表予定。