【今週の概況】

■日米金利差を意識したドル買い継続、ドルは一時139円39銭



今週のドル・円は堅調推移。一時1998年9月以来となる139円39銭まで買われた。日本銀行は現行の金融緩和策を当面維持するとの見方が強まり、日米金利差を意識したドル買い・円売りが優勢となった。中国における新型コロナウイルスの感染再拡大や米国経済の大幅減速観測を受けてリスク選好的なドル買い・円売りは一時縮小したが、7月13日発表の6月米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回り、7月連邦公開市場委員会(FOMC)で一部に1ポイント利上げ観測も浮上したことから、ドル・円は139円39銭まで一段高となった。ただ、1ポイント利上げ観測は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りは一服した。



15日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円93銭まで上昇後、138円39銭まで反落した。この日発表された6月小売売上高は市場予想を上回り、7月連邦公開市場委員会(FOMC)での1%利上げ観測が再浮上したことから、ドル買いが先行した。しかしながら、その後発表された7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)で、1年期待インフレ率は6月実績の5.3%から7月は5.2%に低下したことを受けて10年債利回りは低下し、ドル買いはやや縮小し、138円52銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:135円92銭−139円39銭。



【来週の見通し】

■日米金利差拡大への期待でドル買い継続の可能性



来週のドル・円は底堅い値動きか。米国経済の減速懸念は根強いこと、欧州のエネルギー供給不安や中国の新型コロナウイルス再拡大による行動制限強化で世界経済の先行きは不透明だが、日米金利差に着目した為替取引がただちに縮小する可能性は低いとみられており、ドル買い・円売りは継続しそうだ。7月26-27日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75ポイント幅の利上げを決定する可能性が高いこと、日本銀行黒田総裁は現行の大規模な金融緩和策を継続する方針を示しており、円売り安心感がドルをはじめ主要通貨を押し上げる展開となりそうだ。



先日来日したイエレン米財務長官と鈴木財務相との会談で、鈴木氏は日本政府として最近の円安を憂慮しているとの考えを述べた。ただ、イエレン氏はそれには回答せず、為替介入は「例外的な状況でしか正当化されない」と日本側をけん制。ドル・円は次の節目140円を目指す展開が続くとみられる。



【米・7月フィラデルフィア連銀景況調査】(21日発表予定)

21日発表の7月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は1.9と、2年ぶりのマイナスに落ち込んだ前月から改善の見通し。製造業の回復期待により市場予想を上回った場合、景況感の改善を好感した株高・金利高・ドル高の要因になりやすい。



【米・7月S&Pグローバル製造業PMI】(22日発表予定)

22日発表の7月S&Pグローバル製造業PMIは51.0と予想されており、6月実績の52.7を下回る見込み。ただ、市場予想を上回った場合、景気減速懸念は後退し、ドル買い材料となる可能性がある。



予想レンジ:137円50銭−140円50銭