■インフレピークアウト期待や決算前の買い戻しで大幅高



今週の新興市場は大幅に上昇。米長期金利が安定して推移するなか、インフレピークアウト期待と7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げに対する警戒感の後退を背景に投資家心理が改善。日米主要企業の4-6月期決算発表の本格化を前に売り方の買い戻しも進んだとみられ、ナスダック総合指数が連日で大きく上昇するなか、東京市場でもグロース(成長)株を中心に買い戻しが加速した。なお、週間の騰落率は、日経平均が+4.20%であったのに対して、マザーズ指数が+5.17%、東証グロース市場指数は+5.25%だった。



個別では、週間でビジョナル<4194>が+14.8%、フリー<4478>が+5.6%、弁護士ドットコム<6027>が+5.5%、ウェルスナビ<7342>が+7.7%、メドレー<4480>が+7.8%、Appier Group<4180>が+5.1%、セルソース<4880>が+9.9%、ジーエヌアイ<2160>が+11.6%と主力株が全般堅調。東証グロース市場の時価総額上位20銘柄のうち週間で下落したのはJTOWER<4485>とTKP<3479>だけだった。売買代金上位にはイーディーピー<7794>、坪田ラボ<4890>などの直近IPO(新規株式公開)のほか、国内での新型コロナ感染再拡大を背景に7月に入ってから人気化しているPSS<7707>が入った。値上がり率トップだったのは業績予想を大幅に上方修正したスポーツフィールド<7080>だった。



■GAFAM決算に注目、東証グロース市場にIPO3社



来週の新興市場は不安定な展開か。26〜27日にFOMCが開催される。これまでの米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事などの高官発言から既に0.75ptの利上げというコンセンサスができている。実際、ミシガン大学消費者信頼感指数の長期期待インフレ率の低下などの経緯から0.75ptの利上げはほぼ確実だろう。他方、市場は9月の利上げ幅については0.75ptの利上げを確率として50%以上織り込んでいるが、米6月消費者物価指数(CPI)の発表直後からは低下している。パウエルFRB議長が記者会見で9月会合について、0.75ptの利上げ、場合によっては1.00ptの利上げに含みを持たすようなことがあると、相場はネガティブに反応する可能性が高いため、注意したい。また、アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アップル、アマゾン・ドット・コムの通称「GAFAM」の大型テック企業の決算も注目。スナップチャットやツイッターの決算が失望的な結果となっており、景気後退懸念が強まるなかでの広告需要の低迷が窺える。同じく広告ビジネスを展開するアルファベットとメタの決算への警戒感が強まっており、影響力が大きいだけに注視したい。決算前の売り方の買い戻しが一服してきているとも推察され、来週は大型イベントを前に新興株は小休止といった形になりそうだ。



個別では、相対的に安定感がありそうな業績・チャートが共に堅調な内需系銘柄に着目し、ケアネット<2150>、BuySell Technologies<7685>、ヒュウガ<7133>、アズーム<3496>、エクストリーム<6033>、インパクトHD<6067>、フリークアウトHD<6094>に注目している。



IPOでは、28日に人流データのビッグデータプラットフォーム運営などを手掛けるunerry<5034>、情報システムの開発・運用・保守などを展開するHOUSEI<5035>が、29日には月額制ファッションレンタルサービスを手掛けるエアークローゼット<9557>がそれぞれ東証グロース市場に新規に上場する。ECサイトで服飾雑貨などの販売を行うクラシコム<7110>は20日からブックビルディング(BB)期間に入っている(〜26日)。