東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2022年7月の取引数量が前月比31.4%減の280万8626枚、1日の平均取引数量は13万3744枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は4147.48億円と前月比で29.19億円増加した。取引通貨量では、米ドル、豪ドル、メキシコペソ、英ポンド、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、7月の取引数量が前月比22.7%減の435万9295枚、1日の平均取引数量は20万7585枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は743.50億円となり、前月比で12.08億円の減少となった。



取引数量トップは米ドル・円で121万3976枚(前月比31.9%減)だった。引き続き日米の金利差拡大を想定したドル買い・円売り基調が続くなか、7月13日発表の米6月消費者物価指数が市場予想を上回る結果となり、米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げが見込まれたことで一時1ドル=139円台まで急伸した。しかし、7月サービス業購買担当者景気指数(PMI)速報値(22日発表)、4-6月期GDP速報値(28日発表)などの米国経済指標が市場予想を下回ったことで、米国の景気後退懸念が強まりドル売りが加速し、月末には1ドル=132円台まで下落した。なお、26-27日のFOMCは大きなサプライズなく通過した。



ユーロ・米ドルは取引数量14万1351枚(前月比129.7%増)だった。ノルドストリーム1稼働再開をめぐり、ロシア側が欧州向け天然ガスの供給を停止させる可能性を警戒しユーロ売りが加速した。13日には1ユーロ=1ドルを下回り、20年ぶりとなる「パリティ割れ」となった。21日にノルドストリーム1は稼働再開となったものの、ロシアによるガス供給量の更なる削減や停止の可能性は引き続き警戒材料となっている。また、イタリアのドラギ氏が首相を辞任したことでイタリアの政情不安も懸念材料として浮上してきたため、21日に欧州中央銀行(ECB)が11年ぶりとなる0.5%の大幅利上げを決定したが反応は限定的だった。



8月のドル・円はもみ合いか。9月のFOMC利上げ幅を探り、引き続き米国の経済指標発表に一喜一憂の展開となるだろう。目先は8月10日発表の7月消費者物価指数(CPI)が注目材料となりそうだ。景気後退懸念が強まると米長期金利が下落し、それに反応してドル売り・円買いが強まる展開には注意したい。ちなみに8月は円高になりやすいというアノマリーがよく知られている。ユーロ・円は弱含みか。エネルギー供給問題が依然くすぶるなか、イタリアの政局不安が加わり、欧州に対する景気不安は根強そうだ。7月に実施したECBの大幅利上げに対しては、ドル・円が円高方向にふれていたことで、ユーロ・円もむしろ円高方向へ下押しされており、今後もユーロ安にふれやすい展開が予想される。12日発表の6月鉱工業生産など経済指標発表も、欧州景気をうらなう上で注目されそうだ。