■FRBタカ派姿勢の鮮明化を嫌気



今週の新興市場は大幅続落。米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は早急な金融緩和への転換にはリスクが伴うと慎重な姿勢を示し、市場の来年からの利下げ転換期待を消失させた。その後もFRB高官からパウエル氏の見解を補強するようなタカ派発言が相次ぎ、米長期金利が大幅に上昇。米ナスダック総合指数が連日で下落するなか、投資家心理が悪化し、新興市場のグロース株も広く売られた。週末にかけては米8月雇用統計を控えた警戒感から手仕舞い売りが広がり、下げ幅を広げる展開となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-3.46%であったのに対して、マザーズ指数は-3.45%、東証グロース市場指数は-3.46%だった。



個別では、ビジョナル<4194>が-6.8%、ANYCOLOR<5032>が-9.2%、フリー<.4478>が-3.0%、JTOWER<4485>が-4.2%、Appier Group<4180>が-5.3%、メドレー<4480>が-8.5%、ウェルスナビ<7342>が-9.8%、弁護士ドットコム<6027>が-12.7%など、時価総額上位銘柄が軒並み崩れた。週間騰落率ランキング上位では、プレイド<4165>を筆頭に、アミタHD<2195>、BCC<7376>、地域新聞社<2164>などがランクイン。特段の材料が見当たらない銘柄でも、直近の売買が活発で値動きの大きい銘柄には値幅取り狙いの短期物色が集中する傾向が見られた。



■原油価格や金利の動向を注視、5社がBB期間入り



来週の新興市場は軟調か。警戒された米8月雇用統計は雇用者数の伸びが市場予想上回った一方、平均賃金の伸びは予想を下回った。また、失業率は予想に反して上昇するなど、労働市場の逼迫の緩和を示唆する内容となった。1日に一時3.3%近くまで急伸していた米10年債利回りもいったん低下しており、目先は新興株への逆風が小休止しそうだ。しかし、平均賃金の伸びは前年比で+5.2%と依然として高水準で、FRBがタカ派姿勢を和らげることはないだろう。次の焦点は13日に発表予定の米8月消費者物価指数(CPI)で、しばらくは神経質な展開が続くと想定される。



来週は5日に石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合を控え、先日、サウジアラビアのエネルギー相が減産を示唆していたこともあり、注目される。景気後退懸念で軟化している原油先物価格が再び上昇すればインフレの長期化懸念が強まりかねない。8日には欧州中央銀行(ECB)定例理事会が予定されており、インフレに未だに減速の兆候が見られない欧州経済の状況を踏まえ、0.75ptの大幅利上げの可能性も示唆されている。米国に続いて欧州でも異例の0.75ptの利上げが実施されればグローバルな金利上昇に繋がる可能性があり、新興株の逆風にもなりかねないため、注意が必要だろう。



個別では、基本空売りの方が奏功しやすい状況ではあるが、買いで参戦するなら、信用需給の観点から手仕舞い売りなどに晒されるリスクが相対的に低い売り長の銘柄の方がよいだろう。JTOWERや弁護士ドットコムの主力銘柄のほか、Lib Work<1431>、サンアスタリスク<4053>といった業績もまずまずの銘柄があり、注目したい。



来週はFPパートナー<7388>、キットアライブ<5039>、ファインズ<5125>、グラッドキューブ<9561>、ポーターズ<5126>などがブックビルディング(BB)期間に入る。