【今週の概況】

■ドル・円は24年ぶりの140円台、米利上げ継続予想で円売り加速



今週のドル・円は堅調推移。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続の可能性が高まったことや複数の経済指標が市場予想を上回ったことから、主要通貨に対するドル買いが強まり、9月1日の欧米市場でドル・円は1998年8月以来となる1ドル=140円台に上昇した。米労働省が1日に発表した新規失業保険申請件数は前回から減少し、米供給管理協会(ISM)が1日発表した8月ISM製造業景況指数は、市場予想を上回っており、リスク選好的なドル買い・円売りが一段と広がった。



2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時140円80銭まで上昇した。米労働省が発表した8月雇用統計で非農業部門雇用者数は、市場予想を上回る前月比+31.5万人となったことがドル上昇につながった。ただ、8月の失業率は3.7%と7月から0.2ポイント上昇したこと、平均時間給の伸びは市場予想を若干下回ったことから、米長期金利は低下し、リスク選好的なドル買いは一服。ドル・円は140円25銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:137円37銭−140円80銭。



【来週の見通し】

■底堅い値動きか、米金融引き締め長期化の思惑強まる



来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化の思惑から、金利先高観を背景にドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。ユーロ圏の経済見通しは引き続き不透明であり、欧州中央銀行(ECB)による大幅利上げが見込まれるものの、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りがただちに拡大する可能性は低いこともドル買い・円売りの材料となりそうだ。



記録的なインフレ高進を抑止するため、FRBは金融引き締め政策を継続する方針を示している。8月の失業率は上昇したが、雇用は拡大しており、9月20-21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75ポイントの追加利上げが決定される可能性は残されている。ドル・円は心理的な節目とみられていた140円を上抜け、目先は上値を試す展開が続くだろう。一部で過度な円安が問題視されるものの、日本銀行は現行の金融緩和策を維持する方針を変えていない。1998年8月につけた1ドル=147円台がドル・円の上値目途になるとの声が聞かれている。



【米・8月ISM非製造業景況指数】(6日発表予定)

6日発表の米8月ISM非製造業景況指数は55.2と、7月実績の56.7を下回る見通し。ただ、好不調の境目である50を大幅に上回る水準を維持する見込みであり、市場予想と一致した場合、米国経済の減速懸念を強める要因にはなりにくい。



【パウエルFRB議長が経済イベントで金融政策について発言】(8日予定)

パウエルFRB議長はケイトー研究所主催のイベントに参加し、金融政策について意見を述べる予定。インフレ抑止に向け引き締め方針を当面維持するとの考えを強調。次回連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ポイントの追加利上げが決まる可能性は低下したが、9月以降も利上げが続くことを織り込む展開となり、パウエルFRB議長の発言内容はドル買い材料となる可能性がある。



予想レンジ:139円00銭−141円50銭