東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2022年8月の取引数量が前月比1.7%減の276万1884枚、1日の平均取引数量は12万83枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は4346.86億円と前月比で199.38億円と大幅に増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、南アフリカランド、英ポンドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、8月の取引数量が前月比6.1%増の462万6474枚、1日の平均取引数量は20万1170枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は771.81億円となり、前月比で28.31億円の増加となった。



取引数量トップは米ドル・円で127万65枚(前月比4.6%増)だった。8月に入りペロシ米下院議長の訪台というサプライズがあり、東アジアにおける地政学的リスクの高まりを意識したドル売り・円買いが進行、8/2には一時1ドル=130円台まで急落した。しかし米中対立の激化懸念が後退、7月雇用統計の結果が市場予想を上回り米長期金利も急上昇すると、8/5には1ドル=135円台へ回復。注目されていた8/26ジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が金融引き締め継続を示唆したことで月末には1ドル=139円台まで急伸した。結果、1ヶ月の間に9円弱動く荒い展開となった。豪ドル・米ドルは取引数量3万4283枚(前月比53.7%増)だった。8月前半は1豪ドル=0.71ドル台まで上昇していた。ただ、中国のゼロコロナ政策続行や電力不足による経済景気減速で、鉄鉱石を輸出しているオーストラリアへの影響が懸念され豪ドル売りが進行した。月末には7月下旬以来の1豪ドル=0.68ドル台まで下落した。



9月のドル・円は強含みか。パウエル米FRB議長がジャクソンホール会議でタカ派姿勢を強調したことで、ドル買いが強まっている。また、日銀の金融緩和姿勢は継続の方向であるため円買いには傾きづらい。一方、欧州景気はマイナス材料が多い。ロシアがノルドストリーム1稼働停止継続を発表したことも拍車をかけ、ユーロを買いづらい状態が継続しており、ドル一強状態が続きそうだ。ドル・円は9/1には24年ぶりとなる1ドル=140円台に突入したが、ドル買い支援材料が並んでおり、次は1998年高値の1ドル=147円が意識されそうだ。豪ドル・円はもみ合いか。中国の経済指標や政策を見極めながらの展開となろう。中国景気減速が示唆される指標発表が続くと、豪ドルは売られやすくなりそうだ。ただ、9/6に予定されている豪準備銀行(中央銀行)理事会では0.5%の大幅利上げが予想されており、日豪金利差は拡大する見込み。一方、8月公表の四半期金融報告では、政策金利見通しを「22年末3%想定」としており、今後の利上げペース減速の見方も浮上してきた際には、円に対して豪ドルが売られる場面も出てくる可能性がある。