■新興株の相対的な強さが際立つ



今週の新興市場は3週ぶりに大幅反発。週前半6日には米10年債利回りが3.35%と6月来の高水準まで上昇し、さすがにこの日は下落したが、残りの4営業日は全て上昇と相対的に好調さが目立った。週初は米8月雇用統計で労働市場の逼迫緩和が示唆されたことが好感された。また、天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」を巡る欧州のエネルギー問題や都市封鎖(ロックダウン)が長期化する中国経済の停滞など、世界経済の景気後退への警戒感がくすぶる中、東証プライム市場の主力大型株よりも景気連動性が低く値動きの軽い新興株への物色が活発化しやすい環境だったことも追い風となった。週後半は、注目されたブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長の発言で金融引き締めリスクへの言及があるなどハト派的なものに終わったことで、金利上昇に一服感が出たことも後押しした。なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.04%であったのに対して、マザーズ指数は+3.24%、東証グロース市場指数は+3.25%だった。



個別では、週間でANYCOLOR<5032>が+10.3%、M&A総合研究所<9552>が+14.2%、サンウェルズ<9229>が+15.8%と、時価総額上位の中でも新規上場から日の浅い銘柄の上昇が特に目立った。ほか、Appier Group<4180>が+13.5%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+12.0%、フリー<4478>が+8.0%、JTOWER<4485>が+7.8%と時価総額上位銘柄は全般好調だった。政府の水際対策緩和や航空大手2社の国際線予約数の回復報道などを背景にリオープン関連が賑わい、アドベンチャー<6030>が+13.9%、TKP<3479>が+12.6%と大幅に上昇した。ステムリム<4599>は国内証券の目標株価引き上げが材料視されて+13.1%となった。



■主力株の決算に注目、2社がグロース市場にIPO



来週の新興市場は堅調か。今週末の米株式市場ではナスダック総合指数が+2.1%と大幅高。7日続落後の3日続伸となり、移動平均線では100日線、50日線を回復。米ハイテク株の短期的な底入れ感が強まっている。米長期金利が再び6月高値の3.5%突破を窺うような展開になるとグロース株。には神経質な局面になりやすいが、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演以降、金融引き締めの織り込みは相当進んだ。9月20〜21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75pt利上げもほぼ織り込まれ、来週は13日に発表される米8月消費者物価指数(CPI)が大きく上振れでもしない限り、金利が急伸する可能性は低く、グロース株の物色は続きそうだ。また、翌週にFOMCを控えるなか、前週同様、主力大型株への積極的な売買は手控えられると考えられる。全体的に様子見ムードが強まりやすいなか、個人投資家を中心に値動きの軽い新興株への物色が相対的に強まりやすい環境が続くであろうことも支援要因になるだろう。



来週は13日にセルソース<4880>、マクビープラ<7095>、サーキュレーション<7379>、14日にビジョナル<4194>、ANYCOLOR、GA Technologies<3491>など東証グロース市場の注目企業の決算が予定されている。マザーズ指数の底入れ感が強まり、追い風が吹きつつある中、FOMCが近いとはいえ、好決算には素直な反応が予想される。



来週は東証グロース市場に13日にジャパニアス<9558>、16日にeWeLL<5038>が新規株式公開(IPO)の予定だ。ほか、12日からプログリット<9560>、13日からグッピーズ<5127>、16日からFIXER<5129>がブックビルディング(BB)期間入りとなる。なお、今週は新たにキューブ<7112>、ソシオネクスト<6526>の新規上場が承認された。