【今週の概況】

■ドル上げ渋り、日銀レートチェックで円安けん制



今週のドル・円は上げ渋り。週前半は米国のインフレ見通しを巡ってドル売りがやや強まり、9月13日に141円66銭までドル安・円高に振れる場面があった。しかしながら、同日発表された8月米消費者物価コア指数は市場予想を上回り、インフレ持続を示唆する内容だったことから、リスク選好的なドル買いが急速に拡大し、ドル・円は一時144円68銭まで買われた。14日の東京市場では144円96銭まで続伸したが、急激な為替レートの変動に対し市場をけん制するために日本銀行が金融機関にドル・円の取引水準などを尋ねる「レートチェック」を実施したと報じられ、リスク回避的なドル売り・円買いが活発となり、ドル・円は142円台半ばまで下落した。しかしながら、米国金利の先高観は後退せず、ドル買い・円売りが再び活発となり、15日の欧米市場でドル・円は143円台に戻した。



16日のニューヨーク外為市場でドル・円は142円85銭まで下落した。この日発表された9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は市場予想を下回ったことから、ポジション調整的なドル売りがやや活発となった。世界銀行が2023年の世界の景気後退リスクに言及したことも意識されたようだ。ドル・円は142円95銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:141円66銭−144円96銭。



【来週の見通し】

■上げ渋りか、米大幅利上げも日本の円安けん制を警戒



来週のドル・円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は高インフレを受け、9月20−21日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅利上げに踏み切る公算。ただ、日本政府と日本銀行による円安けん制で、これまでのドル高円安の流れが巻き戻される展開に警戒したい。今回開催のFOMC会合では直近発表の経済指標の内容を点検し、0.75ポイントの追加利上げが決定される見込み。



一方、日本銀行は21-22日開催の金融政策決定会合で、従来の緩和的な金融政策を堅持する。ただ、20日発表の8月全国消費者物価コア指数は強い内容が見込まれており、日銀は物価高の主要因である円安を阻止したい考えはあるようだ。144円台後半で日銀によるレートチェックが報じられたほか、鈴木財務相は為替介入について「やる時は瞬時に」などと踏み込んで発言しており、1ドル=145円突破でドル売り・円買いの為替介入が実施される可能性がある。円買い介入に対する警戒感は消えていないため、新たなドル買い材料が提供されない場合、ドルは144円台で上げ渋る可能性があるとみられる。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(20-21日開催予定)

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月20日-21日にFOMCを開催。予想を上回るインフレ指標でインフレの高止まりが意識されており、0.75ポイントの追加利上げが行われる見込み。声明で利上げ継続の方針が伝えられた場合、ドル買い・円売り材料となりそうだ。



【日本銀行金融政策決定会合】(21-22日開催予定)

日銀は21-22日開催の金融政策決定会合で、現行の緩和的な金融政策を維持する公算。ただ、足元のドル・円相場は24年ぶりの円安水準で推移しており、日銀が円安進行について強い懸念を伝えた場合、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる可能性がある。



予想レンジ:142円00銭−145円50銭