【今週の概況】

■日米金利差拡大の思惑でドルは底堅い動きを保つ



今週のドル・円は強含み。日本政府・日本銀行による米ドル売り・円買いの市場介入を警戒して144円90銭で上昇一服となったものの、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ継続の方針を堅持しており、日米金利差のさらなる拡大を想定してドルは底堅い動きを保った。8月米新築住宅販売件数は予想外に増加したこと、9月米消費者信頼感指数が市場予想を上回ったこともドル買い材料となった。



9月30日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時144円81銭まで買われた。重要なインフレ指標である8月コアPCE価格指数は市場予想を上回る伸びを記録したこと、ブレイナードFRB副議長が早期利下げについて否定的な見解を伝えたことから、11月の0.75ポイント利上げを想定したドル買いが優勢となり、144円74銭でこの週の取引を終えた。今週のドル・円の取引レンジは、143円27銭から144円90銭となった。ドル・円の取引レンジ:143円27銭−144円90銭。



【来週の見通し】

■上げ渋りか、ドル選好地合い継続も日本の円買い介入を警戒



来週のドル・円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融引き締めを長期化する可能性が高いこと、欧州経済は著しく停滞するとの見方は変わっていないことから、ドル選好地合いが続きそうだ。ただ、日本政府・日本銀行による為替介入(円買い介入)への警戒感から、145円付近でドル買い・円売りは弱まる見通し。



来週発表される経済指標では、10月7日発表の米9月雇用統計が最も注目されている。失業率が3.7%と横ばいだが、非農業部門雇用者数は前月比+25.0万人と増加幅は8月実績をやや下回る見通し。ただ、平均時給の上昇率は8月並みの前年比+5.2%程度と予想され、市場予想と一致した場合、インフレ高止まりの思惑が広がりそうだ。FRB当局者は景気よりもインフレ抑止を優先させる方針を強調しており、9月雇用統計が市場予想と一致した場合、11月のFOMCに向け一段の利上げを織り込むドル買いが継続しそうだ。





一方、ノルドストリームの損傷でユーロ圏へのエネルギー供給不安が再燃し、リスク回避のユーロ売り・米ドル買いが再び強まる可能性は残されている。また、英トラス政権による減税主体の経済政策は英国の財政悪化につながりかねず、ポンド売りも続く見通し。そのため日米金利差や欧州通貨安でドルが選好され、ドル・円は145円近辺でやや上げ渋る可能性があるものの、上昇基調を維持する見込み。



【米・9月ISM製造業景況指数】(10月3日発表予定)

10月3日発表の米9月ISM製造業景況指数は52.2と、8月実績を下回る見通し。製造業の業況が急速に悪化する可能性は低いため、市場予想を上回った場合、早期回復を見込んだ金利高・ドル高につながりやすい。



【米・9月雇用統計】(10月7日発表予定)

10月7日発表の米9月雇用統計は、失業率が3.7%と横ばいだが、非農業部門雇用者数は前月比+25.0万人程度にとどまる見通し。平均時給は前年比+5.2%と8月並みの水準になると予想されており、インフレ高止まりを意識して金利高・ドル高の要因となりそうだ。



予想レンジ:142円50銭−146円50銭