【今週の概況】

■米失業率上昇でリスク選好のドル買い縮小



今週のドル・円は伸び悩み。11月1−2日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.75ポイントの追加利上げが全会一致で決定された。利上げペースは12月より減速するとの見方が浮上し、ドル・円は一時145円68銭まで下落したが、FOMC会合終了後に行われた会見で連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「最終的な金利は従来想定された水準を上回る可能性がある」との見方を伝えたことからリスク選好的なドル買い・円売りが活発となり、ドル・円は147円台後半まで戻した。



4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、一時146円56銭まで反落した。この日発表された10月米雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったものの、失業率は予想以上に上昇したことから、利益確定を狙ったドル売りが広がった。ボストン地区連銀のコリンズ総裁が「利上げ継続に連れて過剰な利上げリスクが高まる」との見方を伝えたこともドル売り材料となった。ドル・円は146円63銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:145円68銭−148円85銭。



【来週の見通し】

■ドルは下げ渋りか、米金融引き締めは長期化の公算



来週のドル・円は下げ渋りか。10月の米失業率は上昇したが、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めは長期化するとの思惑は消えていないため、長期金利の高止まりが続いた場合、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。鈴木財務相は過度な円安を抑制するため「適切な対応」とけん制姿勢を強めるほか、日本銀行の黒田総裁は従来の緩和的な金融政策について柔軟姿勢を示しており、足元で円買いに振れる場面もあった。日本政府・日銀の円安けん制で急激な円安は回避されるとの見方が多いが、新たなドル売り材料が提供されない場合、ドルは下げ渋るとみられる。



一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は1-2日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.75%の大幅利上げを継続。また、パウエルFRB議長は会合後の記者会見で利上げ停止の議論は「時期尚早」とし、市場に広がっていた引き締め鈍化の思惑を一蹴した。次回12月のFOMCで利上げ幅は縮小される可能性もあるが、ターミナルレート(利上げの到達地点)は従来の予想より高くなり、FRBの引き締め長期化の思惑が広がりやすい。11月10日発表の米10月消費者物価指数(CPI)が堅調なら金利高・ドル高が見込まれる。



なお、8日の米中間選挙は共和党優勢とみられ、民主党は上下両院で議席を失い過半数を維持できない公算。想定に沿った結果となれば、株式市場は短期的に軟調地合いが見込まれるものの、バイデン政権のインフレ撲滅の姿勢は変わらず、金利高・ドル高は継続しよう。



【米中間選挙】(8日実施)

米中間選挙は8日に投票が開始され、9日までに大勢が判明する見通し。現時点で共和党が優勢とみられ、民主党は上下両院での敗北を回避できるかが注目される。



【米・10月消費者物価コア指数(CPI)】(10日発表予定)

10日発表の米10月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+6.6%と上昇率は9月実績と同水準になると予想されるが、市場予想と一致した場合、インフレ持続の思惑で金利高・ドル高の手がかりに。



予想レンジ:145円00銭−149円00銭