■マザーズ指数は約1年半ぶりに52週線超え



今週の新興市場は続伸。週明け14日、前週末の急伸の反動で日経平均が300円超下落する中、新興株には休む間もなく旺盛な買いが集まり、マザーズ指数は続急伸、2021年6月以来となる52週移動平均線超えを果たした。その後も、米10年債利回りの低下基調を追い風に週半ばまで上値を伸ばし、16日には792.96ptまで上昇、今年4月半ば以来の高値を付けた。ただ、週後半の2日間は騰勢一服。米連邦準備制度理事会(FRB)高官から「利上げ停止は議論されていない」、「来年後半も利上げは続く」、「政策金利を5.00−5.25%に引き上げることは最低条件」などといったタカ派発言が相次ぎ、米長期金利が上昇したことで、利益確定売りにつながった。ただ、下落幅は限定的で、週足のローソク足はしっかり陽線を形成し、52週線の上方で終えた。なお、週間の騰落率は、日経平均が−1.29%であったのに対して、マザーズ指数は+2.90%、東証グロース市場指数は+2.89%だった。



時価総額上位銘柄の週間騰落率は、好決算が評価されたAppier Group<4180>が+16.1%、プラスアルファ・コンサルティング<4071>が+10.3%、GMOフィナンシャルゲート<4051>が+14.1%、BuySell Technologies<7685>が+6.1%とそれぞれ上伸。ウェルスナビ<7342>は四半期営業損益の連続黒字などが安心感を誘い、あく抜けから+8.8%となった。ほか、ANYCOLOR<5032>が+10.9%、サンウェルズ<9229>が+8.6%、M&A総合研究所<9552>が+6.3%となった。



■米10年債利回り4%未満維持であれば安心感



来週の新興市場は強含みか。東京市場は23日、米国市場は24日が祝日に伴いそれぞれ休場となり、立ち会いは4日に限られる。また、経済指標などの目立った材料も少ないことから、全体としては様子見ムードが漂いやすい。こうした中、足元特に好調な株価推移が目立っている新興株には、値動きの軽さも好まれ、物色が集中しそうだ。日経平均や東証株価指数(TOPIX)がもたつく中、マザーズ指数は節目の800pt超えの期待が高まる。



来週は目立った材料が少ないが、23日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(11月1−2日開催)が公表される。このFOMCでは今後の利上げペースを減速させることが妥当とのコンセンサスが示された会合でタカ派サプライズの可能性は低い。FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見や、今週までの連銀総裁の発言を通して、利上げ停止はまだ先といったタカ派的な部分も織り込まれているため、無風通過を想定する。



今週末18日の米10年債利回りは3.83%。16日に付けた直近ボトムの3.69%からは上昇しているが、依然として4%を大きく下回っている。来週も4%より下の水準で安定したままであれば、新興株の買いの流れは続きやすいと予想する。



個別では、決算発表が一巡したタイミングであるため、改めて好決算銘柄に注目したい。直近の新規株式公開(IPO)銘柄では、M&A総合研究所、サンウェルズ、INTLOOP<9556>などが好決算かつチャートも良好で、地合いが悪くない中、上値追いに期待したい。Appier Groupも注目。今期に入ってから3四半期連続で50%超えの増収率を記録しており、四半期ベースでの顧客数の積み上げや顧客単価の上昇傾向も合わせて非常に評価できるであろう。



ほか、来週は22日に東京農工大学発のバイオベンチャーであるティムス<4891>、25日に宿泊施設向けITシステムを提供するtripla<5136>が東証グロース市場に新規上場する。