29日の日経平均は3日続落。134.99円安の28027.84円(出来高概算11億5000万株)で取引を終えた。28日の米国市場は、中国の新規感染者数の大幅増に伴う景気悪化や「ゼロコロナ」政策に対する政権批判の高まりを背景にした、世界景気の減速への警戒感から売り優勢の展開だった。この流れを引き継ぐ格好から日経平均は28000円を下回って始まると、一時27899.98円まで下落幅を広げる場面も見られた。ただし、時間外取引での米株先物がしっかりで推移しているほか、中国当局が日本時間の午後4時から、新型コロナウイルスの防疫措置に関して記者会見を行うと伝わったこともあり、会見内容を見極めたいとの見方も多く、その後は28000円前後でのもみ合いが続いた。



東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1250に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、鉱業、空運、非鉄金属、銀行、保険、石油石炭など10業種が上昇。一方、電気ガス、金属製品、輸送用機器、電気機器、パルプ紙、医薬品など23業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>、テルモ<4543>、住友鉱<5713>、NTTデータ<9613>がしっかりだった半面、エーザイ<4523>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、ダイキン<6367>、アドバンテス<6857>が軟調だった。



週明けの米国市場は、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やセントルイス連銀のブラード総裁がタカ派的な発言をしたことも重荷となった。積極的な利上げ継続への思惑からグロース株が売られた流れが東京市場に波及した。また、米ハイテク株安を受けて、投資するテック企業への含み損拡大への懸念からソフトバンクGが売られたことも投資マインドを萎縮させた。一方、前日に急落した香港などのアジア市場が堅調に推移していることから、売り込む流れにはならなかった。



投資家の関心は米国の金融政策の行方に移っており、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは大きく持ち高を一方向に傾ける向きが少なく、日経平均は当面、28000円前後での狭いレンジ内の動きにとどまるとの見方が多い。FOMCの動向を探るうえで、30日にはパウエルFRB議長が講演する予定で、市場に広がる利上げペース鈍化に関して、どのような言葉でメッセージを出すのかが目先の焦点と考えられている。さらに、12月1日にはFRBが重視する10月の個人消費支出(PCE)物価統計や、2日には11月の雇用統計が発表される。米国にインフレのピークアウト感が強まるのかにも注目だろう。