【今週の概況】

■米利上げペース減速予想でドル・円は一時134円を下回る



今週のドル・円は下落。米国の利上げペースは12月より減速するの見方は変わらず、米長期金利は一段と低下したことから、日米金利差の拡大を想定したドル買い・円売りは縮小し、ドルなど主要通貨に対するリスク回避の円買いが活発となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が参加するブルッキングス研究所(米シンクタンク)のイベントへの期待で11月30日に139円89銭まで買われたが、パウエルFRB議長は同イベントの講演で「当面金融引き締め水準を維持する必要がある」と述べたものの、「過剰な引き締めは望まず、利上げペースを減速する」との見方を伝えたことから、12月に利上げペース減速の可能性が高まり、ドル売りが優勢となった。12月1日に発表された11月ISM製造業景況指数は市場予想を下回り、好調・不調の境目となる50を下回ったこともドル売り材料となった。



2日の欧米外為市場でドル・円は、一時133円63銭まで下落した後、135円98銭まで戻した。米利上げペース減速に備えた持ち高調整のドル売り・円買いが続いており、ドルは一段安となった。この日発表された11月米雇用統計で非農業部門雇用者数と平均時給の伸び率は市場予想を上回っており、ドルを買い戻す動きが一時的に広がったが、米長期金利の低下を意識してドル買いは再び縮小。134円30銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:133円63銭−139円89銭。



【来週の見通し】

■下げ渋りか、米インフレ高止まりで利上げ継続予想は変わらず



来週のドル・円は下げ渋りか。米国経済の大幅な減速を想定して米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げペースの減速を計画しているとの見方が広がっており、目先的にリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される見込み。ただ、インフレ高進を抑止するための利上げは来年1月も行われる可能性が高いため、利上げペース減速を想定したドル売り・円買いが一段と強まる可能性は低いとみられる。



今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、市場参加者の大半が0.50ポイントの追加利上げを想定しており、利上げ幅縮小が予想されるものの、直近発表の経済指標はインフレ率の高止まりを示唆するものが多い。インフレの絶対水準は低下しているものの、NY連銀のウィリアムズ総裁は「インフレは過剰に高過ぎる」、「インフレ2%達成には数年かかる」と指摘しており、近い将来における利上げ停止の可能性は低いとみられる。利上げ継続で日米金利差のさらなる拡大が予想されていることもドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。



【米・11月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)

5日発表の米11月ISM非製造業景況指数は53.7と、前月の54.4から伸びが鈍化する見通し。ただ、好不況の境目である50を上回る水準を維持できれば減速懸念による金利安・ドル安を回避しそうだ。



【米・11月生産者物価指数(PPI)】(9日発表予定)

9日発表の11月生産者物価指数(PPI)は10月実績を下回る見通し。13日の消費者物価指数(CPI)の前哨戦とみられ、インフレのピークアウトの見方から金利安・ドル安の要因に。



予想レンジ:132円00銭−137円00銭