売り先行スタートも円安基調を映してハイテク株などが買い戻される【クロージング】
東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1000を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、海運、鉱業、非鉄金属、電気機器など17業種が上昇。一方、不動産、保険、電気ガス、その他金融など16業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、TDK<6762>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、ファーストリテ<9983>、NTTデータ<9613>、東京海上<8766>、トレンド<4704>、花王<4452>が軟化した。
前日の米国株安を背景に売りが先行して始まったが、大発会4日の安値(25661.89円)に接近したことで、主力銘柄中心に買い戻しの動きや自律反発狙いの買いが次第に増加した。また、時間外取引の米国株価指数先物が堅調に推移しており、商品投資顧問業者(CTA)などの海外短期筋による先物買いとみられる動きも入ったようだ。
日経平均は続伸して週を終えたが、ここから上値を目指す雰囲気にはなっていない。来週に予定される米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの見方をする向きが多いからだろう。12日の米CPIでは米国のインフレが本当にピークアウトにつながるのか確認してからでも遅くはないと考える向き多い。来週も米国の経済指標をにらみながらの動きが続きそうで、不安定な値動きが続く可能性が残っていることには留意したい。