■やや強含み、米長期金利の低下を意識したユーロ買いも



先週・今週のユーロ・ドルはやや強含み。ユーロ圏経済の先行き不安は解消されず、ユーロ・ドルは一時1.05ドルを下回った。この期間に発表された米経済指標はまちまちの内容だったが、1月6日発表の12月ISM非製造業景況指数は予想外に悪化したことから、ユーロ売り・米ドル買いは縮小。米長期金利の低下を意識したユーロ買いも観測された。取引レンジ:1.0484ドル-1.0713ドル。



■もみ合いか、米利上げ継続の方針は変わらず



来週のユーロ・ドルはもみ合いか。ユーロ圏のインフレにピークアウトが期待されるなか、鉱工業生産など経済指標が市場予想を上回った場合、リスク選好的なユーロ買いにつながりやすい。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ幅を縮小しても金融引き締め策を長期間維持する方針に変わりはなく、ユーロ買い・米ドル売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。



予想レンジ:1.0520ドル−1.0720ドル



■弱含み、日銀金融緩和修正の可能性残る



先週・今週のユーロ・円は弱含み。欧州中央銀行(ECB)の大幅利上げ継続観測は後退せず、ユーロ・円は一時142円94銭まで買われた。しかしながら、日本銀行はいずれ大規模緩和を終了するとの見方が浮上し、年明け後に137円台前半まで反落。ユーロ圏経済の先行き不安が消えていないこともユーロ売りにつながった。1月6日の取引で141円台半ば近辺まで戻したが、ユーロ買い・米ドル売りは一服し、この影響で対円レートは伸び悩んだ。取引レンジ:137円39銭−142円94銭。



■底堅い動きか、11月鉱工業生産などが手掛かり材料に



来週のユーロ・円は底堅い値動きとなりそうだ。ユーロ圏のインフレは高止まりしているものの、ピークアウトが期待され、失業率や鉱工業生産など経済指標が市場予想を上回った場合、リスク選好的なユーロ買いが強まりそうだ。日本銀行の金融緩和策修正の思惑はあるものの、ドル売り・円買いがただちに拡大するとの見方は少ないため、ユーロ・円を支える要因となる。



○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・9日:11月失業率(10月:6.5%)

・13日:11月鉱工業生産(10月:前月比-2.0%)



予想レンジ:138円00銭−143円00銭