欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、今週の米CPI見極めドル売り収束
9日に発表されたNY連銀による1年後のインフレ期待が短期的に低水準に鈍化すると、米10年債利回りの低下を手がかりとしたドル売りが優勢に。ユーロ・ドルは一時1.0760ドル台に浮上し、ドル・円は131円50銭台に失速。本日アジア市場で東京都の消費者物価コア指数が予想を上回る強い内容となり、日銀による緩和修正の思惑から円買い圧力が強まり、132円前半から131円前半に軟化し、クロス円もそれに追随した。
この後の海外市場はCPIが注目材料になりやすい。パウエルFRB議長は金融政策に言及するかどうかは不明ながら、前週公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に沿った内容ならタカ派スタンスの維持のため金利高・ドル高に変わりはないだろう。一方、賃金インフレの峠越えは鮮明だが、12日の米CPIを見極めたい向きは多い。前回から比較的大きく伸びが鈍化すると予想されるが、短期的にドルは売りづらい地合いが見込まれる。
【今日の欧米市場の予定】
・18:30 パウエル米FRB議長、ベイリー英中銀総裁シンポジウム参加(スウェーデン中銀主催)
・24:00 米・11月卸売在庫改定値(前月比予想:+1.0%、速報値:+1.0%)
・03:00 米財務省・3年債入札