3月のくりっく365、ドル・円は下げ渋り、ランド・円は一進一退か
取引数量トップは米ドル・円で103万6977枚(前月比24.5%減)だった。月初めは米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が会見で「ディスインフレの早期の兆候が見られる」と指摘したことで早期利上げ停止の思惑が浮上するも、強い経済指標などからインフレの鈍化ペースが想定以上に遅いと示され、年内利上げ停止への期待は次第にはく落していった。一方、次期日銀総裁人事にサプライズはあったものの、今後の金融政策については金融緩和の基本路線に変更なしという見方が強まり、月末にかけてドル高・円安傾向が強まった。メキシコペソ・円は取引数量42万5701枚(前月比48.0%増)だった。2月9日にメキシコ銀行(中央銀行)が市場予想を超える50bpの利上げを実施し、ペソ買いが強まった。月初めは1メキシコペソ=6.9円台だったが、月末には7.4円台と昨年10月水準まで上昇している。なお、メキシコ中央銀行政策委員会の大勢は、次回の3月会合では利上げ幅の縮小を想定していると報じられているが、3月初め時点でもペソ・円は高値圏を維持している。
3月のドル・円は下げ渋りか。3月10日発表の2月雇用統計は、1月が想定以上に強い内容だったこともあり注目されそうだ。FRBの思うようにインフレの改善が進まず、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では再び利上げ幅を拡大するという見方が強まれば、ドル買いが進みそうだ。一方、日銀の金融政策については、現状維持というのが大方の見方となっている。ただ、3月9-10日の日銀金融政策決定会合が黒田総裁下で最後の会合であり、もし12月のようなサプライズ政策修正が行われれば、円買いが進む可能性はある。3月の南アフリカランド・円は一進一退か。最大の貿易相手国である中国の景気回復期待で、2月半ばあたりから対円でランドは下げ止まりつつある。引き続き中国への景気回復期待がランドへの支援材料となる可能性はある。ただ、マネーロンダリングや停電など国内問題は残っており、ランド・円の下落リスクは依然くすぶっているとみられる。