欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米CPIが予想を上回ればドル買戻しも
米国でシリコンバレー銀行の経営破たんが他行に波及し、金融システム不安から米金利が大幅に低下。それを受けドル売りが強まり、ユーロ・ドルは1.07ドル半ばに浮上、ドル・円は1カ月ぶり安値圏の132円30銭付近に失速した。本日アジア市場で米10年債利回りや米2年債利回りの下げは一服し、ドル売りはいったん収束。ただ、米長期金利の戻りは鈍く、ドル・円は133円後半まで戻した後は上値の重い展開となった。
この後の海外市場は米インフレ指標が焦点。米銀の破たんが続くなか、安全通貨の円に買いが入りやすい地合いに変わりはない。また、連邦準備制度理事会(FRB)による一段の引き締めを期待したドル買いは後退しよう。ただ、本日の米CPIが前月同様に予想を上回る内容となれば米長期金利は持ち直し、前日までのドル売りは巻き戻されるだろう。もっとも、FRBの利上げ幅拡大の期待は後退し、ドル買いは限定的となりそうだ。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・2月消費者物価指数(前年比予想:+6.0%、1月:+6.4%)
・06:20 ボウマン米FRB理事討論会参加(地域金融機関会合)