5月2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。





■株式見通し:FOMC通過後のアク抜けの可能性もあるなか、買い戻しの動きが入りやすい

■イビデン、23/3営業利益 2.2%増 723億円、24/3予想 28.1%減 520億円

■前場の注目材料:三井物産、来春にも創薬新興にスパコン提供、開発期間短縮支援





■FOMC通過後のアク抜けの可能性もあるなか、買い戻しの動きが入りやすい



2日の日本株市場は、買い一巡後はこう着感が強まるものの、底堅い相場展開が継続しそうだ。1日の米国市場はNYダウが46ドル安だった。米連邦預金保険公社(FDIC)は経営難に陥っていた地銀ファースト・リパブリック・バンクが破綻し、JPモルガンが買収で合意し預金や支店業務を引き継ぐと発表したため、金融システム不安への懸念が緩和したため、買い先行で始まった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)が2日から開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げがより確実となると、金利高を警戒し下落に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比170円高の29330円。円相場は1ドル137円40銭台で推移している。



シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まろう。米国市場は下げに転じたが、直近で大きく上昇していたこともあり、FOMCを前に持ち高調整の売りが入った格好だろう。一方で、日経225先物はナイトセッションで一時29360円まで買われた。連休を前に買い一巡後は次第にこう着感が強まることになりそうだが、FOMC通過後のアク抜けの可能性もあるなか、ショートポジションをヘッジする動きが入りやすいだろう。徐々にレンジを切り上げてくるなか、オーバーシュート気味の上昇にはなっておらず、積極的な買い方が不在のなか、断続的なショートカバーでの動きになりそうだ。



昨日の日経平均はマドを空けての上昇で29000円を回復。日中値幅は130円ほどと狭いレンジでの推移とはなったが、終日29000円を上回っての推移だった。押し目待ち狙いの買い方においても買い場がなかったことから、水準を切り上げてくる可能性はあるだろう。連休明け後には決算ピークとなり、決算を見極めたいところであるが、決算が通過している銘柄などへは見直し買いの動きが強まりそうだ。



日経平均はボリンジャーバンドの+2σ水準まで上昇してきた。短期的な過熱感は警戒されるものの、バンドは切り上がりを見せてきているため、ピーク感はない。また、+3σは29570円辺りまで切り上がりを見せてきていることから、29000円での底固めを経て、節目の29500円が目先的なターゲットとして意識されてこよう。物色としては米国の時間外取引でNXPセミコンダクターズが決算評価から買われていることもあり、ハイテク株への買戻しが入りそうだ。また、為替市場では円安傾向を見せてきているなか、相対的に出遅れ感のある自動車株なども注目されよう。





■イビデン、23/3営業利益 2.2%増 723億円、24/3予想 28.1%減 520億円



イビデン<4062>が発表した2023年3月期業績は、売上高が前期比4.1%増の4175.49億円、営業利益は同2.2%増の723.62億円だった。電子事業においては、パッケージ事業で、パソコン向け需要が夏場以降に減速したものの、サーバー向けの需要が概ね堅調に推移したことにより、全体として売上高・営業利益ともに前年度に比べ増加した。24年3月期業績は、売上高が前期比4.2%減の4000億円、営業利益が同28.1%減の520億円を計画。コンセンサス(620億円程度)を下回る。





■前場の注目材料



・日経平均は上昇(29123.18、+266.74)

・SOX指数は上昇(3019.09、+24.12)

・シカゴ日経先物は上昇(29330、大阪比+170)

・1ドル=137.40-50円

・米国景気は拡大

・日銀は金融緩和を継続

・コロナ後の人流再開





・アステラス製薬<4503>8000億円で米社買収、眼科新薬候補を第3の柱に

・市光工業<7244>車用ミラー事業売却を8月1日に延期

・伊藤忠<8001>米蓄電システムと提携、20年代半ば日本展開

・椿本チエイン<6371>電動アシスト3輪自転車の試作車開発、来年度投入へ

・コマツ<6301>カザフに子会社、中央アジアの建機販売加速

・SMC<6273>物流拠点新設でBCP磨く、東西物流再編し製品供給力アップ

・レンゴー<3941>傘下の独トライコー、ドイツに新工場、246億円投資、ロボで自動化





☆前場のイベントスケジュール



<国内>

・08:50 4月マネタリーベース(前年比予想:-1.3%、3月:-1.0%)



<海外>

・特になし