11日の日経平均は小幅反発。4.54円高の29126.72円(出来高概算13億株)で取引を終えた。円相場が1ドル=134円台前半へと円高に振れたことを嫌気して、輸出関連株などに売りが先行して始まり、日経平均は29028.71円まで下げ幅を広げる場面があった。ただ、企業の決算発表が本格化するなか、好業績銘柄や株主還元策の強化を発表する企業などへの資金流入が強まり、相場全般を下支えした格好。こう着ながらも日経平均は29000円を割り込むことはなく、底堅い値動きだった。



東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1000を超え、全体の5割超を占めた。セクター別では、石油石炭、鉱業、サービス、パルプ紙など12業種が上昇。一方、非鉄金属、海運、倉庫運輸、建設など21業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>、富士フイルム<4901>、バンナムHD<7832>が堅調だった半面、協和キリン<4151>、住友鉱<5713>、花王<4452>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>が軟調だった。



前日の米国市場は、米債務上限問題を巡る不透明感が根強く、NYダウは続落した。一方、消費者物価指数(CPI)の結果などを受けて米金利が低下するなか、米ハイテク株が買われていた。この流れを受けて半導体関連株の一角が堅調となり、相場の底堅さにつながった。また、パナHD<6752>、INPEX<1605>など好決算を発表した銘柄や大規模な自社株買いを発表したヤマトHD<9064>など個別材料株に投資家の資金がシフトしていた。



なお、米国の債務上限問題の行方が気掛かりとなり、積極的に売り買いを仕掛ける投資家も少ない。国内でも本格化している国内企業の決算は来週前半で一巡するだけに、決算内容を確認してから動き出しても遅くはないと考えている向きも多い。このため、当面は決算受けた個別銘柄への売買が主流で、相場全般は狭い値幅での動きにとどまる展開が続くだろう。