8日の日経平均は続落。272.47円安の31641.27円(出来高概算13億4000万株)で取引を終えた。前日の米国市場でハイテク株が売られた流れを映して指数寄与度の高い値がさ株中心に売りが先行して始まった。6月限の株価指数・オプションの取引最終売買日で、あすの特別清算指数(SQ)算出を控えた売り買いが交錯し、日経平均は一時プラス圏に浮上する場面もあった。ただし、午後に入ると利益確定売りが断続的に入り、再び下げ幅を広げ、後場中盤には一時500円安に迫る場面があった。



東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、海運、電気ガス、石油石炭など10業種が上昇。一方、精密機器、情報通信、その他製品など23業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、エーザイ<4523>、アドバンテス<6857>、日立建機<6305>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>が軟調だった。



前日の米国市場は、カナダ中銀が市場予想に反し、0.25%の利上げを決めたことが、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げへの思惑を呼び込み、金利上昇を嫌気してハイテク関連株中心に値を消した。東京市場もこの流れを引き継ぐ形となった。短期的な相場の過熱感と東京市場の先高期待という強弱材料が交錯するだけに、手掛けづらくさせた。



日経平均はSQを前に1000円近く下落したが、4月末からは3000円超上昇しており、相場の上昇トレンドが変わったと見る向きは少ない。投資家の関心はSQを波乱無く通過した後も外国人投資家の買いが続くのかどうかだ。来週は日米の金融政策決定会合を控えているだけに、海外勢の動きは一時鈍くなることも想定され、海外投資家の買いが細る可能性は留意したいところだろう。