【今週の概況】

■米利上げ終了観測台頭でドル買い縮小



今週のドル・円は弱含み。10月30−31日開催の日本銀行金融政策決定会合で長短金利操作の再修正が検討されるとの報道を受けてリスク回避の円買いが加速し、米ドル・円は一時148円81銭まで下落した。10月30−31日開催の日本銀行金融政策決定会合で長短金利操作の運用について長期金利の上限は 1.0%を目途とすることを決定したが、事前の報道とほぼ一致した。また、日銀植田総裁は記者会見で粘り強く金融緩和を継続すると発言したことを受けてリスク選好的な米ドル買い・円売りが拡大した。財務省の発表で10月の為替介入はなかったことが判明したこともドル買い・円売りを促す一因となった。10月31日の欧米市場で米ドル・円は151円72銭まで一段高となった。



しかしながら、10月31−11月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で政策金利の据え置きが決定され、利上げ終了観測が台頭したことから、1日のニューヨーク市場で米ドル・円は150円台後半まで下落した。



3日のニューヨーク外為市場でドル・円は、150円24銭から149円21銭まで下落した。

この日発表された米10月雇用統計で失業率は予想外に上昇し、非農業部門雇用者数は市場予想を下回ったことを受けてリスク回避の米ドル売り・円買いが優勢となった。米長期金利の低下も米ドル売り材料となった。米ドル・円は149円35銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:148円81銭−151円72銭。



【来週の見通し】

■米利上げ終了観測台頭もドルは下げ渋りか



来週のドル・円は下げ渋りか。10月雇用統計の悪化を受けて利上げ終了の思惑が広がり、ドルは積極的に買いづらい展開となろう。原油先物の軟調地合いや米長期金利の低下はドルの上昇を抑える要因とみられる。ただ、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は引き続きインフレ撲滅に前向きなスタンスを堅持していること、日本政府による為替介入に対する警戒感は低下していることから、リスク回避的なドル売り・円買いが一段と拡大する可能性も低いとみられる。財務省が発表した外国為替平衡操作では、10月3日の円急伸が為替介入でなかったことが明らかになった。1ドル=150円台で米ドル売り・円買いの為替介入が実施される可能性は低いとみられており、新たなドル売り材料が提供されない場合、ドルは下げづらくなりそうだ。



【パウエル米FRB議長講演】(9日開催予定)

パウエル米FRB議長は11月9日に国際通貨基金(IMF)主催の討論会に参加する。金融政策に関して発言した場合、連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見とほぼ同じ内容が予想されるが、10月雇用統計内容に言及する可能性もあろう。



【米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値】(10日発表予定)

10日発表の11月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は、前回実績の63.8と差のない水準にとどまる可能性がある。期待インフレ率も低下が見込まれ、市場予想を下回った場合、ドル売り要因になりやすい。



予想レンジ:148円00銭−151円00銭