東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2023年10月の取引数量が前月比7.8%増の206万7617枚、1日の平均取引数量は9万3981枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は4801.10億円と前月比で6.15億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、トルコリラ、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、10月の取引数量が前月比30.2%増の500万8550枚、1日の平均取引数量は22万7662枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は847.45億円となり、前月比で19.48億円の増加となった。



取引数量トップは米ドル・円で63万8177枚(前月比7.0%減)であった。月末に日本では日本銀行の金融政策決定会合、米国では米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、日米金融政策の方向性を模索し動きづらい状況だった。月初めには一時3円程度円高方向にふれた動きも見られ、1ドル=150円ラインでは日本政府による為替介入も意識された。10月30-31日の日銀金融政策決定会合では、金融緩和政策を継続する一方でYCC運用について長期金利上限1%を超える取引を容認する柔軟化措置が決定された。ただ、市場では長期金利上限を1.5%程度にするなどよりタカ派色の強い予想もあったため、ハト派的な内容と受け止められたほか、10月の日本政府による為替介入がなかったことも発表され、31日は1ドル=148円台から151円台へ一気に円安方向へ振れた。



また、南アフリカランド・円は15万8041枚(前月比56.8%増)であった。ハニャホ南アフリカ準備銀行(SARB)総裁が「ランド防衛のために為替介入はしない」と明言しておりランド安にふれやすい状況だった。10月18日に発表された9月消費者物価一数(CPI)は前年同月比で5.4%増と8月実績(4.8%増)から上昇幅が広がったものの、南アフリカ準備銀行(中央銀行)のインフレ目標である3〜6%の範囲内にとどまっており、11月も政策金利が据え置かれるとの市場予想が強まり、ランド売りは縮小した。



11月のドル・円は強含みか。植田日銀総裁は「賃金上昇を伴う持続的・安定的な物価2%上昇はまだ実現できてない」と国会で答弁するなど、現行の金融緩和姿勢維持を示唆している。一方で、米国は市場が利上げと楽観視する見方も増えるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)要人らによる追加利上げの余地を残すタカ派的発言が続いている。米長期金利上昇への警戒感は残るとみられ、引き続きドル高・円安基調は続きそうだ。豪ドル・円は下げ渋りか。11月7日に豪準備銀行(中央銀行)は5会合ぶりに利上げを再開した。ただ追加利上げはデータ次第とされており、豪ドル買いが一段と広がるにはさらなる材料が必要そうだ。28日発表の10月小売売上高や29日発表の10月消費者物価指数(CPI)などに注目が集まるだろう。