【今週の概況】

■米インフレ緩和でドル買い縮小



今週のドル・円は弱含み。米国の追加利上げ観測が再浮上し、週初に151円91銭までドル高・円安に振れる場面があったが、11月14日発表の10月米消費者物価指数は市場予想を下回り、米長期金利は下落したことからリスク回避の米ドル売り・円買いが広がった。15日発表された日本の7-9月期国内総生産(GDP)一次速報値は市場予想を大幅に下回り、リスク回避の円買いはやや縮小したが、米長期金利の低下を受けて欧州通貨買い・ドル売りが強まり、この影響でドル買い・円売りの取引は拡大しなかった。



17日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時149円20銭まで下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)による来年の利下げを織り込むドル売りが優勢となった。ただ、10月米住宅着工件数と建設許可件数は市場予想を上回ったこと、ボストン連銀のコリンズ総裁が追加利上げの選択肢を除外しないとの見方を伝えたことから、リスク回避のドル売り・円買いは一服。ドル・円は149円68銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:149円20銭−151円91銭。



【来週の見通し】

■ドルは底堅い動きか、円売り継続で152円台到達も



来週のドル・円は底堅い値動きとなりそうだ。米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)でインフレ沈静化が鮮明になっている。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを目標レンジ内に収めるには追加利上げが必要となる可能性があるとの見解を有しているものの、12月開催の次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策金利据え置きやその後の利上げ休止を市場は織り込み始めた。



一方、日本の7-9月期国内総生産(GDP)はマイナスに転じ、国内経済の失速が顕著になった。実質賃金マイナスで日本銀行の緩和策修正は困難との見方が増えており、円安要因となる。また、1ドル=151円台でもドル売り・円買いの為替介入は実施されていないため、新たなドル買い材料が提供された場合、1990年以来となる152円台を目指す値動きが想定される。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(21日公表予定)

FRBは11月21日、FOMC(10月31日-11月1日開催分)の議事要旨を公表する。インフレ抑止の姿勢を維持するものの、年内利上げ見送りの意見も見込まれ、ドル売り材料となりそうだ。



【米・11月製造業PMI速報値】(24日発表予定)

24日発表の11月製造業PMI速報値は49.8と、景気の好不況の境目である50をやや下回る見通し。市場予想と一致または下回った場合、追加利上げ観測は一段と後退し、金利安・ドル安が見込まれる。



予想レンジ:148円00銭−152円00銭