来週は、サイバーマンデーで感謝祭後の月曜に小売りが全国的にオンラインで特別なプロモーションやセールを実施する。アドビの発表によると、今年の感謝祭当日の消費支出額は56億ドルと前年同日比5.5%増加、特にオンライン消費の強さが指摘されており、期待したい。高インフレを受けた消費者の動向に慎重な見方も多い中、今年の年末商戦日数が31日と例年に比べて多いことも小売企業を支援するだろう。



来週はまた、10月PCEコアデフレーターや7-9月期国内総生産(GDP)改定値など重要なインフレや経済指標に加えて米連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策決定の材料とする地区連銀経済報告(ベージュブック)にも注目だ。結果を受けて、利上げ終了観測が強まれば更なる相場上昇に繋がるだろう。また、来年度のセンチメントが強く、新年度に向けた買いも続き相場を一段と押し上げる可能性もありそうだ。一部金融機関は来年の見通しでS&P500指数が過去最高値を更新するとの楽観的予想を出している。



パウエル議長をはじめFRB高官は、物価が2%目標に達する確信がまだもてないと慎重姿勢を崩していない。期待インフレ率が再び上昇したほか、労働市場も底堅く、依然インフレや金利の行方には不透明性が高い。今週FRBが公表した前回のFOMC議事録では、追加利上げも除外しない姿勢を再表明している。しかし、市場は前回FOMCの結果、最新の消費者物価指数(CPI)や雇用統計の結果を受けて利上げ終了や来年の利下げ観測を依然織り込んでいる。インフレが強固で制御には時間がかかる可能性がくすぶるが、市場の利上げ終了観測や来年の利下げ観測は根強い。FRBがインフレ指標として注視している10月PCEコアデフレーターも伸びの鈍化傾向を再確認する公算だ。エコノミストは前年比+3.5%と、21年4月以降2年半ぶりの低い伸びに改善を予想している。予想通り、インフレ鈍化が確認され、さらに、FRBが公表するベージュブックでも景気減速が証明された場合、利上げ終了期待がさらに強まり、相場を一段と押し上げるだろう。



来週はまた、ニューヨークタイムズ紙主催の会合で、テスラのマスク最高経営責任者(CEO)、JPモルガンのダイモンCEOなどが講演予定で注目材料になる。



経済指標では、10月新築住宅販売、11月ダラス連銀製造業活動(27日)、9月FHFA住宅価格指数、9月S&P20都市住宅価格指数、11月コンファレンスボード消費者信頼感指数、11月リッチモンド連銀製造業指数(28日)、10月卸売在庫、7-9月期国内総生産(GDP)改定値(29日)、週次新規失業保険申請件数、10月PCEコアデフレーター、11月シカゴPMI、10月中古住宅販売仮契約(30日)、11月製造業PMI、10月建設支出、11月ISM製造業景況指数(12月1日)、などが予定されている。また、FRBは29日にベージュブックを公表する。



主要企業決算では、ハイテク関連でサイバーセキュリティ製品・サービス会社のクラウドストライク、ソフトウエアメーカーのスプランクやインテュイット、クラウドアプリケーションを手掛けるワークデイ(28日)、クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース、ソフトウエアメーカーのスノーフレーク(29日)、コンピューターメーカーのデル・テクノロジーズ(30日)、小売り関連では、ディスカウント小売りのダラー・ツリー、ペット関連の健康サービスを提供するぺトコ・ヘルス・アンド・ウェルス、カルバンクラインやトミー・ヒルフィガーブランドを運営するPVH、食品加工メーカーのホーメルフーズ、靴販売会社のフット・ロッカー(29日)、スーパーマーケット運営のクローガー、ディスカウント小売りのビッグロッツ、化粧品小売りのアルタ・ビューティー(30日)、また、地銀のファーストリパブリック(29日)、などが予定されている。



スーパーマーケット運営のクローガーでは高インフレの影響を受け、慎重な消費動向で売り上げ減に警戒だ。



(Horiko Capital Management LLC)