【今週の概況】

■ドルは軟調推移、米早期利下げの思惑強まる



今週のドル・円は軟調推移。米連邦準備制度理事会(FRB)ウォラー理事は11月28日、「成長は減速、インフレの進展を支援している」、「ディスインフレが続けば、利下げ開始が可能になる」と述べたことを受けてリスク回避的なドル売り・円買いが活発となり、147円を下回った。29日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正されたことから、リスク回避のドル売りは一時縮小し、ドル・円は30日にかけて148円台半ばまで戻した。



12月1日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円28銭から146円66銭まで下落した。この日発表された11月米ISM製造業景況指数は市場予想を下回ったことでドル売りが優勢となった。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が利上げ終了を示唆したとの見方も強まり、長期金利の低下に連れて早期利下げの思惑は強まり、ドル売りが加速した。ドル・円は146円81銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:146円67銭−149円67銭。



【来週の見通し】

■ドルは下げ渋りか、堅調な雇用情勢が下支え



来週のドル・円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事など、これまでインフレ抑止に前向きだった複数の金融当局者がタカ派的な政策スタンスを後退させている。ウォラー理事は来年の利下げの可能性に言及し、米長期金利の低下やドル安を導いた。12月12-13日開催の次回連邦公開市場委員会(FOMC)の会合でパウエル議長は金融引き締めの姿勢を緩めない見通しだが、市場は来年の利下げを織り込みつつある。FOMC会合に向けてドル売り圧力は継続するだろう。



ただし、12月8日発表の11月米雇用統計(非農業部門雇用者数と失業率)が市場予想とおおむね一致した場合、早期利下げ観測は後退し、ドルを買い戻す動きが広がりそうだ。

日米金利差の維持も想定されることから、米ドル売り・円買いがさらに強まる可能性は低いとみられる。



【米・11月ISM非製造業景況指数】(11月5日発表予定)

12月5日発表の米11月ISM非製造業景況指数は52.0と、前月の51.8からやや上向く見通し。想定通りならFRBの金融引き締め政策を後押しし、ドルの押し上げ要因となりそうだ。



【米11月雇用統計】(12月8日発表予定)

12月8日発表の米11月雇用統計は失業率が3.9%、非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人程度の見通し。平均時給が弱い内容だと金融引き締め後退の要因となろう。



予想レンジ:145円00銭−149円00銭