【今週の概況】

■ドル弱含み、日米金利差縮小観測で一時142円を下回る



今週のドル・円は弱含み。週前半は11月米雇用統計の改善が期待されたことでリスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。対欧州通貨でのドル買いが広がったことも意識されたようだ。12月6日にドル・円は147円50銭まで買われたが、同日発表の米11月ADP雇用統計は市場予想を下回る結果となったため、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小した。さらに、日本銀行の植田総裁は7日に「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と語ったことで金融緩和策の早期修正観測が広がり、日米金利差縮小の思惑も浮上した。リスク回避的なドル売り・円買いが急速に広がり、同日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時142円を下回った。



8日のニューヨーク外為市場でドル・円は145円21銭まで買われた後、一時143円76銭まで下落したが、米長期金利の上昇を意識して145円近辺まで戻した。この日発表された11月雇用統計で労働市場の基調的な力強さが確認され、早期利下げ観測は後退し、リスク選好的な米ドル買い・円売りが活発となった。米ドル・円は144円97銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:141円71銭−147円50銭。



【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、日銀緩和修正観測も米インフレ指標にらみ



来週のドル・円は伸び悩みか。日本銀行の金融緩和修正観測を背景に、円買い圧力が続くとみられる。日銀植田総裁は12月7日の国会質疑で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と答弁。これを受け、金融緩和の早期修正観測が台頭し、リスク回避の米ドル売り・円買いが活発となった。今月開催の日銀金融政策決定会合を控えて、円高圧力が続きそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制の方針を堅持しているものの、利上げは終了しており、来年半ば頃に利下げが開始されるとの見方が浮上していることもドル買い・円売りを抑制することになりそうだ。



一方、今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では政策金利の据え置きが決まる見込み。ただし、同時に公表されるFOMCの政策金利見通しで追加利上げの可能性が否定された場合、米長期金利安・ドル安の展開となる可能性は残されている。なお、12月12日発表の11月米消費者物価総合指数(CPI)は前年比+3.1%程度、同コア指数は同+4.0%程度と予想されている。市場予想と一致した場合、インフレ緩和の思惑でリスク回避的なドル売り・円買いがやや強まりそうだ。



【米・11月消費者物価コア指数(CPI)】(12日発表予定)

12日発表の米11月消費者物コア指数(CPI)は前年比+4.0%と予想されている。インフレ緩和は織り込み済みのため、市場予想と一致した場合、ドルは売りづらい展開に。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(12-13日開催)

12月12-13日に連邦公開市場委員会(FOMC)の会合が開催される。現行の政策金利維持を決定する見通し。インフレ抑止の姿勢を堅持しながらも、今後の政策決定は経済指標次第との従来方針を示すだろう。



予想レンジ:143円50銭−146円50銭