【今週の概況】

■日米金利差維持で円売り継続



今週のドル・円は下げ渋り。1月22−23日に開かれた日本銀行金融政策決定会合で金融政策の現状維持が決まったことからドル・円は一時148円台半ばまで買われた。金融政策決定会合終了後に行われた日本銀行植田総裁の記者会見で「物価見通し実現の確度は引き続き少しずつ高まっている」との見解が伝えられたことで円買いが一時拡大し、ドル・円は148円を下回ったが、植田総裁は「マイナス金利を解除しても極めて緩和的な環境が続く」と述べており、ドルを買い戻す動きが再び活発となった。米国の早期利下げ観測は後退したこともドル買い材料となり、23日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円70銭まで買われた。その後、日銀は3月開催の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するとの思惑が浮上し、24日の欧米市場で146円66銭まで反落したが、25日発表の10-12月期米国内総生産(GDP)は市場予想を上回ったことなどを受けてドル売り・円買いは縮小した。



26日のニューヨーク外為市場でドル・円は147円46銭まで下落後、148円21銭まで反発した。この日発表された12月コアPCE価格指数は市場予想を下回り、米長期金利は低下したことから、ドル売り・円買いが一時活発となった。ただ、個人消費は良好であることや原油先物の上昇を意識したドル買いが観測されており、ドル・円は148円12銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:146円66銭−148円70銭。



【来週の見通し】

■ドルは伸び悩みか、節目の150円を意識する展開に



来週のドル・円は伸び悩みか。3月利下げ開始の市場観測は後退し、日米金利差縮小を想定したドル売り・円買いは縮小した。しかしながら、心理的な節目である1ドル=150円が再び意識されつつあり、この影響でリスク選好的なドル買い・円売りは抑制される可能性がある。今月発表された米経済指標はNY連銀製造業景況感指数やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を下回った。ただ、国内総生産(GDP)は想定ほど減速せず、ミシガン大学景況感指数は市場予想を上回った。強弱まちまちのデータを受け、1月30-31日開催のFOMC会合では政策金利の据え置きが決まる公算。連邦準備制度理事会(FRB)は早期利下げには消極的であり、利下げ開始は5月以降となる可能性が高い。このことは金利高・ドル高要因となりそうだ。



一方、日本銀行は大規模緩和の継続を決定。日銀植田総裁は、マイナス金利を解除しても緩和的な政策の堅持を示唆している。日米金利差縮小の思惑は大幅に後退したが、ドル・円は心理的な節目である1ドル=150円が視野に入っており、日本政府は円安進行を引き続き懸念していることから、状況次第で為替介入の用意があることを市場に伝える可能性がある。150円以下でドル売り・円買い介入が実施される可能性は低いものの、日本政府は円安進行に対して強い懸念を表明するとの見方は多いことから、150円近辺でリスク選好的な円売りは縮小し、ドル高円安は抑制される展開もあり得る。なお、米企業決算では一部ハイテク関連のほか、指数への寄与度が高い銘柄も注目される。好業績を受けた株高ならユーロ、英ポンドなどに対するリスクオンの円売りが強まる可能性は残されている。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(1月30-31日開催)

FRBは1月30-31日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利5.25-5.50%を据え置く公算。早い時期の利下げ開始の市場予想に否定的な見解が提示された場合、米金利高・ドル高要因に。



【米・1月雇用統計】(2月2日発表予定)

2月2日発表の米1月雇用統計は失業率が3.8%、非農業部門雇用者数は前月比+16.8万人、平均時給は前年比+4.1%が予想される。市場予想を下回った場合、早期利下げ要因になりやすい。



予想レンジ:146円00銭-150円00銭