■株式相場見通し



予想レンジ:上限37500円−下限36800円



来週14日を過ぎると企業の決算発表は一巡を迎えるが、決算発表を受けて、国内外の証券会社による投資評価及び目標株価変更レポートが相次いでリリースされることから、レポートを材料とした売買が中心となり、プライム市場の売買代金はそこまで大きく減少しないと考える。



1月SQ値は36025.97円、2月SQ値は37018.07円と2カ月連続でSQ値が約1000円ずつ切り上がっている。これだけで先高観を推し量ることはできないが、過熱感が意識されるなか堅調な上昇は安心材料と言えよう。一方、英アームの株価上昇や決算などを材料に急騰したソフトバンクGが日経平均に与えた影響は大きく、NT倍率は昨年7月以来の14.42倍まで急拡大している。内田日銀副総裁の発言を受けて、銀行株がさえなかったこともNT倍率拡大の背景にはあるが、ソフトバンクGなど偏った銘柄の急騰や先物主導などによる日経平均の上昇は「途転」の可能性もあることから注意したい。



為替の円安推移も注意したいところだ。昨年11月27日以来となる1ドル149円台に乗せたことから、政府・日銀による円安けん制発言が増加しそうだ。既に9日朝方には、鈴木財務相が「株価と為替の動向を注視、金融政策運営に政府はコメントしない」と発言したほか、林官房長官も「昨日(8日)の内田日銀副総裁の発言は、1月の植田総裁発言と同じ内容である」とコメント。目立った円安けん制発言と市場は捉えていないが、今後、鈴木財務相や、為替介入の陣頭指揮を執る神田財務官の発言がたびたび市場に伝わるだろう。円安推移は輸出関連銘柄には追い風となるが、小売など輸入企業は向かい風だ。円安進行でインフレ加速となれば、日銀による「金融政策の正常化」に舵を切るタイミングが早まる可能性はある。



8日の内田日銀副総裁の発言など日銀が念入りに「地ならし」を行っている状況下、想定外の円安推移に対して早めの措置を講じるとの見方もある。最後の円買い・ドル売りの為替介入は2022年に151円90銭台水準で行われたが、「金融政策の正常化」という大きなテーマを考慮すると過去に行った水準より手前で為替介入を実施する可能性もあるだろう。



■為替市場見通し



来週のドル・円は下げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)は今後の利下げについて大筋で見解は一致するものの、一部のメンバーは早急な利下げについて否定的な見方を伝えている。パウエルFRB議長は3月の利下げ開始には否定的であるため、市場参加者の大半は利下げ開始が5月以降になると考えている。2月13日に発表される1月米消費者物価コア指数は前年比+3.7%と前回を下回る見通し。また、15日発表の1月米小売売上高は前月比+0.1%と、前回の+0.6%を下回る見通し。これらの経済指標が市場予想と一致した場合、5月利下げの思惑が強まりそうだ。



一方、日本銀行は3月以降にマイナス金利を解除する公算も、その後の政策方針が注目される。日銀植田総裁と内田副総裁は政策金利の引き上げに慎重で、緩和的な政策運営が長期間続く可能性があるため、日米金利差の早期縮小観測は後退しており、目先的にドル・円は底堅い動きを保つ可能性がある。





■来週の注目スケジュール



2月12日(月):米・財政収支(1月)、印・鉱工業生産(12月)、中・株式市場は祝日のため休場(春節、2月19日から取引再開)、など



2月13日(火):国内企業物価指数(1月)、工作機械受注(1月)、英・失業率(1月)、米・消費者物価指数(1月)、など



2月14日(水):英・消費者物価指数(1月)、英・生産者物価産出指数(1月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(12月)、欧・ユーロ圏GDP改定値(10-12月)、など



2月15日(木):GDP速報値(10-12月)、鉱工業生産(12月)、豪・失業率(1月)、英・鉱工業生産指数(12月)、英・GDP速報値(10-12月)、英・商品貿易収支(12月)、英・商品貿易収支(12月)、米・NY連銀製造業景気指数(2月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(2月)、米・小売売上高(1月)、米・鉱工業生産指数(1月)、など



2月16日(金):英・小売売上高指数(1月)、米・生産者物価指数(1月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(2月)、など