【今週の概況】

■日米株高でリスク選好の円売り強まる



今週のドル・円は強含み。2月12日に149円をやや下回る場面があったが、13日発表の1月米消費物価コア指数(CPI)は市場予想を上回っことから、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測は一段と後退し、ドル・円は一時150円89銭まで買われた。14日に米シカゴ連銀のグールズビー総裁が2%目標達成軌道に変わりはないとの考えを伝えたこと、15日発表の1月小売売上高は市場予想を大きく下回ったことを嫌気してドル・円は150円を下回った。15日発表された日本の10-1月期国内総生産(GDP)速報値は市場予想に反してマイナス成長を記録し、日本銀行は緩和的な金融環境を長期間維持する可能性が浮上したこと、日米の株高を意識してドル売り・円買いは一服した。



16日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円65銭まで上昇後、150円09銭まで反落した。この日発表された1月生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回る伸びを示したため、早期利下げ観測の後退で長期金利の上昇に伴うドル買いが強まった。その後発表された2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が予想を下回ったこと、ボスティック米アトランタ連銀総裁やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は年内数回の利下げ予想を維持しているとの考えを明らかにしたため、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小。ドル・円は150円21銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:148円93銭−150円89銭。



【来週の見通し】

■ドルは底堅い値動きか、日本の円安けん制もドル選好は変わらず



来週のドル・円は底堅い値動きか。ドル・円は昨年11月以来の150円台に浮上し、円安進行の可能性があることから、日本政府は一段の円安に歯止めをかけたい考えのようだ。2022年には150円以上で大規模なドル買い・円売り介入を実施しており、市場は実弾介入を警戒しつつある。昨年も150円台に上昇する局面で神田財務官は為替介入に「スタンバイ」と発言し、その後の円安を食い止めた経緯がある。ただ、日米金利差維持でドルの選好地合いは変わらず、目先的には150円付近の水準は維持される見通し。



3月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが確実視され、現時点で利下げ開始は5月以降の見通し。一方、国内経済の減速を受けて日本銀行によるマイナス金利政策の解除時期は3月以降となる可能性があり、金融政策修正を期待した円買いは縮小し、政府の円安けん制の効果を弱める。



【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(21日公表予定)

FRBは2月21日、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。利下げ開始時期が3月から5月以降に後ずれするなか、利下げに前向きな意見が少なかった場合、ドル買い要因となろう。



【米・2月製造業PMI速報値】(22日発表予定)

2月22日発表の1月製造業PMIは前回から改善するか注目される。前回に続き節目の50を維持できれば米国経済のソフトランディングへの期待が高まり、ドル買い材料になりやすい。



予想レンジ:148円50銭-152円00銭