【今週の概況】

■日本の為替介入を警戒してドルは伸び悩む



今週のドル・円は伸び悩み。日本銀行の植田総裁は3月27日の参院予算委員会で「短期金利を中心に金融緩和を継続することが重要」と答弁したこと、同日行われた青森県金融経済懇談会で日銀田村審議委員は金融政策運営について、「ゆっくりと着実に正常化を進めていく」との考えを示したことを受けて日銀による追加利上げ観測は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りが拡大。東京市場で34年ぶりの高値となる151円97銭までドル高円安が進行した。しかしながら、財務省と金融庁、日銀による3者会合の開催が報じられ、日本の通貨当局による円安是正介入が警戒されたことでリスク選好的なドル買いは縮小。28日のアジア・欧米市場でドル・円は151円台後半で上げ渋る状態が続いた。



29日のニューヨーク市場は、米国が「聖金曜日」の祝日となるため、主要通貨の為替取引は動意薄の状態が続いたが、ドルはやや底堅い動きを保った。151円18銭まで売られた後、151円39銭まで反発し、151円35銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:151円03銭−151円97銭。



【来週の見通し】

■ドルは底堅い値動きか、日銀緩和方針とドル選好地合い継続で



来週のドル・円は底堅い値動きか。4月1日発表の日銀短観3月調査などで景気回復への期待が強まれば、今後の利上げを見込んだ円買いがやや強まる可能性がある。また、152円以上の水準にドルが浮上すれば、日本政府の為替介入を警戒した円買いが強まることでドル・円相場を下押ししそうだ。ただ、日銀は緩和的な金融環境を当面維持する方針であり、ドル選好地合いの継続が見込まれる。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利見通しでは、利下げは6月から年内3回の可能性が示されているが、利下げ時期の先送りや利下げ幅の縮小などタカ派的な政策を維持するとの見方は少なくない。欧州中央銀行、英中央銀行、スイス中央銀行など他の主要中銀が金融緩和に傾くなか、ドル選好地合いに振れやすい。



日本政府は円安けん制を繰り返すものの、円安抑制は限定的でドル・円相場は徐々に水準を切り上げていることも注視される。日本単独で為替介入を実行しても顕著な効果は期待できないため、152円をしっかりと上抜けるシナリオも想定したい。



【米・3月ISM製造業景況指数】(4月1日発表予定)

4月1日発表の3月ISM製造業景況指数は48.5と、前月の47.8からやや改善の見通し。節目の50に接近すれば、ソフトランディングへの期待感からドル買い材料に。



【米・3月雇用統計】(4月5日発表予定)

4月5日発表の米3月雇用統計は失業率が3.9%、非農業部門雇用者数は前月比+21.6万人、平均時給は前年比+4.1%程度の市場観測。想定に沿った内容ならドル買い材料か。



予想レンジ:149円50銭-153円50銭