【今週の概況】

■中東情勢の悪化を警戒してドルは上げ渋る



今週のドル・円は上げ渋り。4月3日に発表された3月米ADP雇用統計で雇用者数の伸びは市場予想を上回ったことから、6月利下げ観測は後退。ドル・円は一時151円95銭まで買われた。しかしながら、同日発表された3月ISM非製造業景況指数は予想に反して悪化したため、リスク選好的なドル買いは縮小。さらに、岸田首相は「行き過ぎた為替の動きにはあらゆる手段を排除せず対応する」との見方を伝えたこと、中東情勢の混迷を嫌気したリスク回避的な円買いも観測されたことから、5日の東京市場でドル・円は一時150円81銭まで値を下げた。



5日のニューヨーク外為市場でドル・円は151円75銭まで反発した。この日発表された3月米雇用統計で非農業部門雇用者数は市場予想を上回ったこと、失業率は低下したことから、米長期金利は上昇した。6月利下げの確率は低下したことから、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となり、ドル・円は151円65銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:150円81銭−151円95銭。



【来週の見通し】

■底堅い値動きか、日本の為替介入警戒もドル高基調は持続



来週のドル・円は底堅い値動きか。ドル高円安が加速した場合、日本政府による為替介入が実施される可能性はあるものの、日本銀行は金融正常化を早急に進めることには消極的とみられ、リスク回避的な米ドル売り・円買いが急拡大する可能性は低いとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)は金融緩和を早急に進める意向は特にないことから、ドル高・円安の流れは続くと予想される。



一方、ハマス・イスラエル紛争にイランの介入が警戒され、中東情勢の混迷を背景に原油価格は上昇。原油高は日本の貿易収支を悪化させ、ドル買い材料となる。また、エネルギー価格の上昇を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策スタンスを緩めていない。6月から年3回の利下げ予想は今後修正される可能性もあり、当面は米金利高・ドル高の状況が続くとみられる。



【米・3月消費者物価指数(CPI)】(4月10日発表予定)

4月10日発表の米3月消費者物指数(CPI)は前年比+3.5%、同コア指数は前年比+3.7%と予想される。市場予想を上回り、インフレ再加速の思惑ならドル買い要因に。



【米4月ミシガン大学消費者信頼感指数】(4月12日発表予定)

4月12日発表の米4月ミシガン大学消費者信頼感指数が改善傾向を維持すれば引き締め的な政策を後押し。インフレ予測はこのところ底堅く推移し、3月実績を上回った場合、ドル買い要因になりやすい。



予想レンジ:150円00銭-153円50銭