■今後の見通し



1. 2018年4月期の業績見通し

Hamee<3134>の2018年4月期の連結業績は、売上高が前期比9.6%増の9,320百万円、営業利益が同5.0%増の1,161百万円、経常利益が同10.4%増の1,157百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.5%増の755百万円となる見通し。



売上総利益率は前期比1.8ポイント上昇の49.1%を見込んでいる。コマース事業において自社企画商品の販売構成比の上昇傾向が続くことが要因だ。一方、販管費は人件費で同27.1%増、支払手数料で同20.9%増と引き続きプラットフォーム事業を中心とした積極投資を継続していくための費用増を織り込んでおり、販管費率については同2.4ポイント上昇の36.7%を見込んでいる。この結果、営業利益率は同0.5ポイント低下の12.5%となる。



売上高成長率はやや鈍化する計画となっているが、2017年5月以降も「iFace」を中心にコマース事業の売上は好調を持続していること、費用面では人件費等を中心に保守的に見積もっていることなどから、今後市場環境に大きな変化がなければ会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。ただ、2017年4月期まで非連結対象だった中国、インドの子会社が連結対象となれば、損益面で変動要因となる点には留意しておく必要がある。



2. 事業セグメント別見通し

(1) コマース事業

コマース事業の売上高は前期比9.4%増の8,188百万円、セグメント利益は同6.2%増の959百万円となる見通し。このうち小売は同13.5%増の3,430百万円、卸売は同6.6%増の4,757百万円を見込む。自社企画商品の販売構成比が若干上昇するほか、小売販売比率も上昇することで売上総利益率は同1.8ポイント上昇する見込み。セグメント利益率が11.7%と同0.4ポイント低下するが、販管費を保守的に見積もっていることが要因となっている。



(2) プラットフォーム事業

プラットフォーム事業の売上高は前期比11.1%増の1,131百万円、セグメント利益は同0.3%減の202百万円となる見通し。2018年4月期末のメイン機能の契約社数は前期末比で16.0%増を前提としている(2017年4月期実績は前期末比18.6%増)。顧客当たりの平均単価が低下する見通しとなっているが、これは新規顧客のうち1店舗や2店舗のみを出店する小規模EC事業者の比率が増加することを前提にしているためだ。従来は1社当たり複数店舗を出店する中規模以上の事業者が顧客ターゲットであった(前期末の1社当たり平均店舗数は7店舗)。2017年4月期にシッピーノと連携したことで、どのマーケットプレイスに出店してもFBAサービスを使えるようになり、顧客ターゲットが小規模のEC事業者まで広がってきたことが背景にある。ただ、実際には顧客層が広がれば新規顧客数の伸びも加速することが予想されるため、売上高の前提は保守的と考えられる。



また、2018年4月期は他社との連携も積極的に推進していく予定となっている。2017年6月からはアスクル<2678>が運営する日用品通販サイト「LOHACO(ロハコ)」とのアプリ連携を開始している。今回の連携により、「ネクストエンジン」の利用ユーザーは「LOHACO」出店店舗で発生した注文処理を「ネクストエンジン」内で一括処理できるほか、他店舗との在庫連携も可能となり、業務負担を軽減することが可能となる。今後も、同様の取り組みを推進し「ネクストエンジン」の利便性向上による顧客数の拡大を目指していく方針だ。



さらには、新たな顧客ターゲットとして地方自治体向けの取り組みも開始している。具体的には、ふるさと納税事業を行う地方自治体向けに「ネクストエンジン」を導入していく。第1弾として、2017年6月より小田原市への提供を開始し、今後、同事業を行う1,700を超える地方自治体への導入も目指していく。ふるさと納税は税金対策になるだけでなく、各地域の特産品などを受け取れるといったメリットが各メディアで取り上げられたことを契機に利用者が急増し、2015年度の寄附額としては前年度比4.3倍の1,652億円、件数で同3.8倍の726万件となっている。こうした需要の急増により、同事業を行う地方自治体の業務(寄附金管理、返礼品管理等)も煩雑となってきており、こうした業務負担の軽減につながるサービスとして「ネクストエンジン」を提供する。同社では、小田原市の案件で運用受託も行い同事業の実態把握を行いながら、事業特有の課題に対応するアプリの開発・提供も行っていく予定にしている。潜在顧客数としては1,700自治体を超えるだけに、「ネクストエンジン」の今後の成長に寄与する取り組みとして期待される。



なお、、2018年4月期は微減益を見込んでいるが、これは営業・サポート部門の体制強化やインフラ投資を継続的に行うなど費用を保守的に見積もっていることが主因となっている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)