■2017年3月期決算の分析



ムサシ<7521>の2017年3月期決算は、売上高35,268百万円(前期比1.2%減)、営業利益1,107百万円(同19.7%増)、経常利益1,242百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益781百万円(同3.8%増)と、減収ながら増益で着地した。



利益が大幅増となった理由は、2016年7月の参院選挙と東京都知事選挙によって選挙システム機材部門の売上高が3,969百万円(前期比60.3%増)と大幅に伸長したことによる。同部門の機材は自社工場で製造しているため、他の事業部門より採算性が高く、利益の増加に寄与した。同社は国政選挙実施年に収益が大きく伸長するが、その収益構造、及びその背景としての選挙システム機材部門での強さはまったく変化していない。



連結ベースの事業セグメント別動向を見ると、金融汎用・選挙システム機材セグメントは売上高6,170百万円(前期比21.4%増)、営業利益934百万円(同84.2%増)と大幅増収増益で着地した。選挙システム機材の伸長で、貨幣処理機の不振で減収となった金融汎用システム機材部門をカバーし、セグメントとして増収増益となった。



情報・印刷・産業システム機材セグメントは、売上高22,985百万円(前期比6.7%減)、営業利益13百万円(同95.1%減)と減収かつ大幅減益となった。文書デジタル化事業の受注先送りで情報システム機材部門が減収となったほか、印刷需要の低迷と単価下落の影響で印刷システム機材部門の機器・材料の販売がともに減少した。全社ベースの業績が予想比未達で着地したのも、主として同セグメントの不振が原因だった。



紙・紙加工品セグメントは売上高5,895百万円(前期比2.2%増)、営業利益1百万円(同92.3%減)と増収・大幅減益となった。印刷用紙は需要減で減収となったが、紙器用板紙や帳票用感熱記録紙の販売が伸長した。一方利益面では、増収額で費用の増加を吸収しきれず減益となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)